第9章 遠い存在
「くれてやろう!勝利の証!ドラゴンバッジをな!」
大きな右手を差し出したキバナに、はドキドキしながらも自分の右手を出した。
「ほら、何やってんだよ」
「ぁ○X〜%◎*き&$っっ///?!!!」
あまりにも遅く手を差し出すに、キバナは自分から掴みに行った。ギュッとキバナの大きな手に、自分の右手が握られ、ボン!と顔が一気に赤くなった。
「あー…(そうだったコイツ…いきなりはダメだったんだったか?)」
すっかりキバナの頭から抜け落ちていたが、数ヶ月前、ダンデが手を握って逃げ出したのことを思い出した。早く離してやらねばと、キバナが握手をしている手を離そうとした。
「き、キバナ様っ!」
と、ギュッとは握手している手に力を込めた。
「ああ、あの、私本当にファンとしてキバナ様と戦えて嬉しかったです!あの日、キバナ様に戦ってみたいって言われた時、私本当は…楽しみでした…もし次があるなら、フルバトルで戦えたらなって…」
「…来いよ、そこまで。お前はもうその資格を取ってるだろ」
キバナは握手の手を解くと、右のポケットにしまっていたバッジを取り出し、突然離されたの宙を彷徨っている右手を左手で掴むと、その掌を上へ向けられた。
そこへ、そっと押し付けられたバッチに、はジッと見つめていた。いや、ドキドキしすぎて見つめることしかできなかった!
「これでガラル地方のすべてのバッチを揃えたな!チャンピオダンデに挑むため、トーナメントで勝ち上がってこいよ!俺たちのリベンジのためにもな!!」
キバナは不敵に笑った。
「き、キバナ様ぁ…///(もう!そういうところが!好きっ!カッコいい!好き!しんどい!心臓溶けちゃう!!かっこいすぎるよキバナ///!!!!)
キバナを見上げていたは、もらったバッジを見た。これ以上見ていると、心臓が本当におかしくなりそうだった。