第9章 遠い存在
(そう来るか!あのハッサム、これをわかってあえて身代わりになったのか?だったらとんでもねぇな…)
キバナは不敵にギャラドスを見ながらも、何故ハッサムがラグラージを庇って退場したのか、疑問に思っていたことが、晴れた気がした。
「キバナ様のジュラルドン、どこまで耐えられるか勝負です!」
「俺さまのパートナーはそんなにヤワじゃねぇぜ!」
「ギャラドス、竜の舞!ラグラージ、地震!」
「サダイジャ、まもる!ジュラルドン、ラグラージにキョダイゲンスイ!!」
ラクラージが地震を使ったことで、スタジアム内は大きく揺れた。ギャラドスはそれを気にする事もなく、大きな体をグネグネと捻りながら、舞を踊った。
サダイジャは地震を防いだが、ジュラルドンは効果抜群の地震を食らった。が、またしてもラグラージに狙いを定めると、ドラゴンタイプのキョダイゲンスイを放った。
今度はしっかりとラグラージに当たったが、やはりダメージを受けてこなかったせいか、まだしっかりとフィールドに立っていた。
「もう一回地震!!」
「もう一度キョダイゲンスイだ!!」
とキバナは同時にラグラージ、ジュラルドンに指示を出した。
「ギャラドス、サダイジャにハイドロポンプ!」
「うまくいってくれよ!サダイジャ、まもるだ!!」
二回も技を受けると、ラグラージも、ジュラルドンもお互い大きく息を乱していた。限界が近いことがわかった。
サダイジャの連続のまもるは成功し、地震とハイドロポンプは防がれた。
「(くそっ!サダイジャは防戦一方!もう次がねぇぞ…!)サダイジャ、ラグラージに大地の力!ジュラルドン、ギャラドスにダイロックだ!!」
「ギャラドス、ジュラルドンに滝登り!ラグラージ、サダイジャにありったけの冷凍ビームぶつけちゃって!!!」
ギャラドスが待っていたと言わんばかりに、ダイマックス技を仕掛けようとしてくる前にジュラルドンに向かって、素早く飛び出した。ラグラージも大きく開いだ口から、いつもより大きめの冷凍ビームをサダイジャに向けて放った。
ギャラドスの滝登りがジュラルドンの技より早く当たると、ジュラルドンの体が大爆発を起こした。体はみるみる小さくなり、フィールドに横向きになって倒れていた。