第8章 ジム巡り②
「俺もメンバーも出し切りましたよ。またいつか会いましょう…」
ガタン、と両膝をついたネズが、マイクに縋りながら参ったと言った顔をしていた。
「ありがとう、リザードン」
「バギュア!」
は霧が晴れる前にリザードンをボールに戻した。満足そうに吠えたリザードンに、はぎこちなく笑って見せた。フィールドの中を歩いて進んでいくと、ネズがタチフサグマをボールに戻していた。
が近付いて行くと、それに気がついたネズが少しムスッとした顔をしていることに気が付いた。
「…ダンデのために残していた…納得ですよ」
が、ネズは目を瞑って天に向かって顔を仰いだ。
「君と戦えてよかったね。俺のポケモンはそう感じてるみたいですよ」
ネズもどこかスッキリしたような顔をしていて、はホッと安息の息を吐いた。
「私のポケモン達も、きっとそう思ってます…あの子も満足してました」
「…お前はそうでもなさそうですけどね」
「!」
「----何に悩んでるかは聴きませんよ、人それぞれ悩みはありますからね」
「…」
は気まずそうに地面を見た。ネズと目をわせることが少し怖いと感じたからだ。
「…でも、久々に強い相手とやれてよかったです」
気まずそうなに、ネズは一言付け足した。はゆっくりとだったが、顔をあげた。
「悪のジムバッチ、悪バッチですよ」
「あ、ありがとうございます…!」
パッと差し出された手に少しびっくりしたは、慌ててネズに握手をした。そして悪バッチを受け取った。
(あと一つ…キバナ様、やっとあなたのところに辿り着きます)
ギュッとバッチを握り込むと、はググッと屈んだ。
そして大きくジャンプした。
「悪バッチ、ゲットだぜ!」
「---やるんですね、それは」
「うっ…!ネズさんが刺々しい!(ネズさん顔変わらなさすぎて怒ってるのかわからないよーー!!!!)」