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【剣盾】君を待つ

第8章 ジム巡り②


「とっておきのナンバーだよ!みんなに自慢してくれよな!地獄突き!」

 タチフサグマはシャドークローを納めると、右手を一点に集中させた地獄突きをリザードンに向けて突っ込んできた。

「下がって!リザードン!」

「ギュア!!」

「火炎放射!」

 リザードンはスゥっと大きく鼻から息を吸い、お腹に溜め込むと、タチフサグマに向かって大きな炎を吐き出した。

「ブロッキング!」

 タチフサグマは突き出していた手を慌てて引っ込め、また胸の前で腕をクロスさせて火炎放射を防いだ。

「そのまま氷も溶かして!」

 リザードンは一度炎を吐くのを止めると、もう一度大きく息を吸い込んで、辺りに散らばる氷を高温の炎で一気に溶かした。ジュウジュウと溶けていく氷から、白い霧が発生した。


「…まさか…っ!タチフサグマ、リザードンの火炎放射と止めろ!地獄突き!!」

「グルルルゥァアア!」


 ネズはが何を考えているかわかった気がして、タチフサグマに攻撃の指示を飛ばした。フィールドにある氷をリザードンの高温の炎が当たると、一瞬にして蒸気となって消えた。


「翼で空気を仰いで!」


 リザードンに突っ込んでくるタチフサグマに、リザードンは火炎放射を止めると、自身の翼を大きく仰いで風を起こした。すでにたくさんの蒸気が立ち込めたフィールドに、リザードンが空気を動かしたことでそれは散らばり、霧のように視界が悪くなった。

(やられた!!!)

 ネズは顔を歪めた。

(このために氷を仕掛けていた---最初から俺達の視界を奪う気でいたとしたら、一体いつから……でも視界が悪いのはお互い様のはず)

「ニトロチャージ!」

「(やれやれ、考えさせてくれる時間もくれませんか)カウンター!」


 視界の悪い中、はすぐに攻撃を仕掛けてきた。炎を纏って突っ込んできたリザードンの攻撃をタチフサグマは受けると、すぐに右手をリザードンの顔に叩きつけた。

(最初のブロッキングで防御が下がっているはず…カウンターはキツイでしょう)

 殴られた反動で、リザードンは後ろへ飛んだ。ニトロチャージを受けたタチフサグマもフゥフゥと疲れた息を吐いていた。

 顔を殴られたリザードンだが、翼を大きく広げて上手く地面に着地した。

「そろそろ決めるよ、リザードン」

「バギュア!」
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