第8章 ジム巡り②
「ネズさん!レフリーさん!」
は声を上げた。突然大声で自分の名前を呼ばれたネズとレフリーはなんだとを見た。
「今から出すポケモンなんですけど、内緒にしててもらっていいですか?」
「?……構いませんよ」
ネズは不思議に思いながらも、レフリーに目配せをすると、レフリーをしてくれているファンは頷いて見せた。
「ありがとうございます……この子は、ダンデさんと戦わせたかったので」
「…ダンデ、とですか…もう勝った気でいるんですか?」
ムッとネズは口を歪めた。
「そ、そんなつもりじゃないですけど……この子は私の相棒だから」
(相棒…!!)
ネズは目を大きく開いた。
「全力で来てください、ネズさん」
スッとはネズを見据えると、ネズはゾクっと全身に寒気が走った。が手に持ったモンスターボールを投げるのが、スローモーションの様に見えた。
モンスターボールからポケモンが飛び出すと、大きな体のシルエットが目に入ってきた。それはどんどん形になっていき、翼、長い首、大きな胴体…段々と見覚えのある形へとなっていった。
「…随分イカしたポケモンを持ってますね、お前…」
グルルルル…と、低い唸り声をあげて、自分とスカタンクを静かに睨みつけてくるポケモンを見て、ネズは口角を上げた。
(リザードンですか…まさか、またここで見られるなんて…)
ネズは昔このスパイクタウンに訪れた一人の少年を思い出した。自分もまだ若く、年齢もそう変わらない少年が、リザードンを出してきたことを。あの時のバトルを今でも忘れることはない。彼は強く、そして何より楽しそうだった。
目の前のからは、あの少年とは程遠く違った雰囲気だった。それでも、ピリピリ感じる不思議な感覚は、あの時のバトルを思い出させてくれるような感じがした。
「用意はいいですか、お二人とも----初めっっ!!!」
興奮したようにレフリーが声を張り上げた。
「スカタンク、どくどくだ!」
先手必勝だと、ネズはレフリーの開始の合図とともにどくどくを繰り出した。