第8章 ジム巡り②
「バークアウト!!!」
泥の玉を吐き出したラグラージに、スカタンクは後方へ飛んで下がると、大きく吠えた。その衝撃でマッドショットは全て破壊される。
「ラグラージ、冷凍ビーム!!」
「避けるのです、スカタンク!」
はすぐにラグラージに指示を飛ばした。青白いビームがスカタンクに向かって吐き出されると、スカタンクは横へ飛び退いた。スカタンクがいた地面に当たった冷凍ビームはフィールドを凍らした。
「追いかけて!凍らせて!」
ラグラージは吐き出し続ける冷凍ビームを、スカタンクの後を追うように首を振った。ピキピキと地面を凍らしながら、迫る冷凍ビームにスカタンクは避け続けた。
(何故効果抜群の地面技を使わないのか…考えろ、これまでの彼女のバトルのスタイルを……!)
ネズは冷静にを見た。ライブで見せていた楽しいそうな顔は一切なく、彼女の顔から何を考えているか読み取るのは難しいと感じた。
(マリィがチャレンジャーの動画を見て、このをいうチャレンジャーが凄いと言っていたおかげでチェックしていてよかったですが……)
ネズは素早くフィールドを見回した。すでにラグラージが放った冷凍ビームのせいであちこちが氷漬けになっていた。観客がいるところもほとんどフェンスのせいで氷の壁ができていたし、フィールドのあちこちに氷の柱があったり、フィールドが凍りついていたりしている。
(…カブさんの時のようにフィールドから攻めて来ると過程するなら…カラマネロの時から考えてたと…?……いや、まずは彼女の手持ちだ。ギャラドス、ラグラージ…悪タイプの苦手な虫タイプのハッサムがまだ出ていない…それとも温存しているのでしょうか…そもそも、彼女はバトルに乗り気じゃなかったような…)
なんとなく、なんとなくだがネズは嫌な予感がした。スカタンクに効果抜群の地震、マッドショットを打ってくる気がない。どんどん氷漬けにされていくフィールド。感情の読めない、ほの暗い目。
「バークアウトで氷を砕くのです!」
スカタンクは寝ずに言われた通り大きく吠えると、あちこちに出来上がった氷の柱や、フィールドに張り付いていた氷をビキビキと割った。