第8章 ジム巡り②
(よく頑張りましたよ、お前は)
ネズはカラマネロをボールに戻すと、次に繰り出したのは白と紫の毛を持つスカタンクだった。尻尾が長く成長し、その尻尾は何故か背中に沿って顔にまでかかっている。
「みんな臭うけどいいよな!不意打ちどくどくだ、スカタンク!!」
ネズはファンに向かって言った。
「(ラグラージが地面タイプに技を思っているのにあえてスカタンクを出してきたってことは…)ラグラージ、気を付けていくよ!まもる!」
「どくどくだ!スカタンク!」
ラグラージは素早く自分の周りに透明の膜を貼ると、スカタンクから飛ばされてきたどくどくの液がシューシューと膜に張り付いた。その液はフィールドにボトボトと落ちると、そこからもシューと音がなり地面を溶かしていた。
「地震!」
「不意打ち!」
早々にこのバトルを終わらせようとさせると、ネズはそうさせるものかとスカタンクに不意打ちを指示した。思ったより見た目とは違ってスカタンクは素早く動き、ラグラージにぶつかってきた。
ルグラージはよろめきながらもすぐに地面を踏み鳴らした。
「どくどくだ!」
「避けてラグラージ!」
カラマネロで見せたほどの地震の威力は落ち、効果抜群のはずのスカタンクはまだまだいけると言った様子を見せた。
すぐにネズはスカタンクに指示を送るとどくどくを飛ばした。ラグラージは飛び退いたり、どくどくに当たらないよう避け続けたが、地面に当たって飛び跳ねたどくどくの一滴がラグラージの足に当たってしまった。
「ラグラージ!!」
ラグラージは忌々しそうに自分の足に飛び跳ねたきたどくどくを見た。
「…いくよ、ラグラージ」
はラグラージに時間がないことを悟った。ラグラージにも蓄積されたダメージや疲れは大きく、さらに毒を喰らったことで苦しそうだ。
(さすが7番目のジムリーダー…)
すると、カタカタと自分の腰についているモンスターボールが揺れた。
「マッドショット!!!」
は決心がつき、ラグラージに指示を送った。毒で苦しいはずのラグラージだが、もう自分の弱いところを見せないとはグッと拳を握り締めた。