第8章 ジム巡り②
「ゲンガー、キョダイマックスで……周りを闇に包み込んで……」
不気味に仮面の奥から見える紫の瞳が、私を見ているのか、それとも見ていないのかわからない。
オニオンくんが放り投げた大きなモンスターボールから、大きな影が現れた。そこから2本の大きな手が地面から生え、そして大きな口を開けた巨大なゲンガーが現れた。
「ゲ、ゲン…」
私のゲンガーは巨大になったオニオンくんの巨大ゲンガーを「マジかよ」みたいなリアクションをしていた。メガ進化のゲンガーもかっこいいけど、やっぱりキョダイマックスしたゲンガーもいいなと思った。
「どっちが強いか教えてあげよう、ゲンガー!」
「ゲンゲー!!!」
私の掛け声に、ゲンガーも気合を入れた。
私は負けない、負けるわけにはいかないと約束したから。ポケモンだけじゃなくて、私も強くならないといけないから。
「ゲンガー、シャドーボール!」
「キョダイゲンエイ……かげふみだよ。逃げられない……逃さない……!」
オニオンくんのゲンガーが繰り出したキョダイゲンエイは、私のゲンガーの周りに大きなベットやティーカップなど、ポルターガイストを思い浮かばせるような技だった。
それがゲンガー目掛けて次々と落下し、ゲンガーはあちこちに飛びながら避け続けた。容赦のない技に、手に溜め込んでいるシャドーボールを離さないよう、ゲンガーは必死に動いた。
しかし、大きな影がゲンガーの頭上に現れ、ゲンガーは目を大きく見開いた。
「今だ!シャドーボールを打って!!」
「ゲン!」
キョダイゲンエイで大きくなった家具の隙間に、一直線にオニオン君のゲンガーが見えた。ゲンガーはそれを投げつけ、手を離れたシャドーボールはどんどん大きく育ちながらオニオンくんのゲンガーへ向かっていった。
私のゲンガーの頭上に現れた家具はゲンガーに直撃した。
技は確実に当たる、ならこちらも覚悟を決めて挑むしかなかった。
「耐えて…っ、ゲンガー!」
そして私のゲンガーが放ったシャドーボールも、キョダイマックスしたゲンガーは避けることもできず、大玉になったシャドーボールが口の中に飲み込まれ、大爆発を起こした。