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【剣盾】君を待つ

第8章 ジム巡り②



キョダイゲンエイとシャドーボールが同時にゲンガーたちに当たり、煙がスタジアムに立ち込めた。シン、と静まり返ったスタジアムで、人々は興味津々にフィールドにいるポケモンたちに釘付けだった。

オニオンのゲンガーのキョダイマックスは跡形もなく、は倒したのだと思ったが、自分のゲンガーも大技を喰らっている。無事であってほしいという気持ちと、もしかしたら倒れているかもしれないと不安が心を蝕んでいく。

煙が少しずつ晴れていくと、フィールドには2体のゲンガーが仰向けに倒れていた。


「…げ……ゲン…」

頭を押さえながら、ゆっくり立ち上がったのはのゲンガーだった。
ゲンガーはキョロキョロと当たりを見回すと、倒れ込んでいるオニオンのゲンガーを見つけた。
のゲンガーは手を尖らせ、倒れ込んでいるゲンガーを警戒した。

しかし、オニオンのゲンガーはピクリと動くこともなく、レフリーのダンペイが確認をしにフィールド内に走り入ってきた。ダンペイはオニオンのゲンガーの様子を見ると、持っていた旗を上にあげた。


『ゲンガー、戦闘不能!よってこの勝負、ジムチャレンジャーのの勝利!』

ワッと会場に歓声がスタジアムに戻り、ははぁと力を抜いた。
ゲンガーも尖らせていた手を収め、歓声が上がる観客たちに手を振って喜んでいた。

(人の気も知らないで…でもやっぱり最後に出してあげてよかった)


は未だフィールドで喜んでいるゲンガーを優しく見守った。
いつもエレズンの世話をシビルドンと任せていて、中々バトルに出してあげれず、文句は言わないが、きっと心のどこかでバトルをしたがっていると にはわかっていた。
ラテラルタウンのジムリーダーがオニオンであることから、はゲンガーを出すならここだと決めていた。

もフィールドの中に歩み、観客にサービス精神旺盛なゲンガーの隣に立った。


「ありがとう、ゲンガー!ちょっとヒヤッとしたよ」

「ゲーン」

ニヤッとゲンガーは笑うと、にもピースをして見せた。
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