第2章 推薦状
一旦落ち着こう、は静かに席に戻ると、残っていた紅茶を一気に飲み干した。ローズの心臓に悪い言葉がまだ引きづりつつあるが、まだちゃんとした話はしていないと思い、必死に心臓を落ちるけた。
「それとだね、これを君にぜひ受け取ってほしい。オリーヴ君」
「はい、委員長。・・・こちらです、どうぞ」
ローズに呼ばれたオリーヴが、すぐに私の座っている席に来て、一枚の紙を渡された。
「あ、ありがとうございます。(オリーヴさんが近寄るたびにいい匂いがするんだけど、どこの香水使ってるのかな)…これは?」
「推薦状だ。今度のチャンピオンカップに君も出場してみないかい?」
「……」
「さっきのニュースでも放送されたが、君は今ガラルでちょっと有名だ。それにさっきも言ったけど、私の大事な書類も取り戻してくれた。感謝の印として受け取ってほしい」
はテーブルに置かれたたった一枚の紙が、すごく重たいものに感じた。ガラルにあるチャンピオンカップは、この地方にとってとても大切な大イベントだ。毎年トレーナーたちが凌ぎを削りながらジム巡りをして、そして無事全てのジムを制覇した者だけが、更なる強者を決めるため、チャンピオンと戦うための夢の切符だ。
そのジム巡りも、この推薦状がなければできない。
「…ありがとうございます、ローズさん。でも、ごめんなさい。これは受け取れません」
は紙から顔をあげ、出場しないと断った。
ローズは少し驚いたが平静を装いつつ、理由が聞きたくなった。
「どうしてだい?」
「私、」
その時、コンコンとドアをノックをする音が部屋に響き、は開きかけた口を閉じてしまった。
ローズは「オリーヴ君、入れてあげてくれ」と一言言うと、彼女は一言返事をしてドアに向かった。