第2章 推薦状
オリーヴがドアを静かに開けると、外にいたのはダンデだった。
「すまない、誰かと会議中でしたか?」
「いえ、お客様がいらっしゃるので、書類でしたら私がここで受け取りますが」
「ああ、お願いします」
ダンデが書類をオリーヴに渡そうとした瞬間、ローズは声をあげてダンデを部屋に入ることを許可したのだった。
「ダンデ君か!オリーヴ君、構わず彼を入れてやってくれ。」
「どうぞ」
「ありがとうローズさん、俺が入ってもよかったんですか…?」
オリーヴはダンデが入れるようにドアを大きく開けた。
ダンデは中に入り、オリーヴの言っていた”お客様”が誰なのか、いつも来訪者が座る席に目を向けた。
「君は昨日の!」
「あ・・・お、おはようございます?」
ダンデの目にはっきりを認識すると、は目があったダンデにビックリした。まさか二日続けてチャンピオンに会えるなんて、夢にも思わないだろう。
そして気のせいじゃなければ、ダンデはローズではなく、こちらに向かってきた。それもランランと瞳を輝かせて。
(え?何でこっちに?何でそんな笑顔なの??!)
足幅が大きいせいか、ダンデが自分の元に来るのがとても早く感じた。
そしてダンデはあっという間に目の前に来た。
「君ともっと話したいと思ってたんだ!」
「!」
「君のハッサム、バトル慣れしているようだったが、君もバトルは好きなのか?」
「え、あ、あ、いやぁ…(近い近い近い!)」
「ダンデ君、そんなにがっついちゃ彼女がビックリしてるだろう」
目の前にいるダンデの顔が自分の顔にすごく近く、矢継ぎ早の質問にはどう答えたらいいのかわからず、言葉にならない音が口からこぼれた。その状況を止めてくれたのは、まさかのローズだった。
「あ・・・すいません、ローズ委員長。君にも失礼なことをした、えっと・・・」
ダンデはすぐに顔を引っ込めると、二人に謝罪した。はそういえば昨日は何も名乗らずとんずらしてしまったことを思い出した。
「、です。その、大丈夫です。昨日は勝手にいなくなってごめんなさい…ダンデ、さん」
「…」
「いやーダンデ君、ちょうどいいところに来てくれたよ」