第2章 推薦状
の少し強張った顔を見たローズは、少し目を見開いたが、すぐにいつも通りの人のいい顔に戻った。
「確かに、キバナ君を君のところに向かわせたのは私だ。キバナ君には渡したい書類もあってね、ちょうどいいと思ったんだ」
「でも、何で私が古城前のポケモンセンターで宿泊してると分かったんですか?」
「ん?それは簡単さ。この画面を見ればね」
ローズはテレビに近寄り、「これだよ」と指差した。まだ自分が写っている一時停止された画面を見た。ローズが指さしたものは、自分の手であった。
少し荒いが、目を凝らしてみれば、手袋をしているのが見えた。
「あ」
それは自分が欲望に勝てず買ったドラゴンタイプの手袋だった。
「君はキバナ君が好きだと思ってね」
「すっ///!?」
ローズの爆弾発言に、は顔を真っ赤にして立ち上がった。両手でこれでもかという程、手でブンブン振って違うと表現した。
「ち、ちち違いますっ!!!ファンです!!!誤解をうむ言い方はやめてくださいっ!!!!」
「ははは、これは失礼だったね。でも、ここに来るまでの時間は楽しんでいただけたかな?」
「…!!!」
ローズの含みのある言葉に、はますます顔が赤くなるどころか、身体中が熱って仕方なかった。
「おやおや、君はとってもわかりやすいね」
(ああああああこの狸ジジイ…やっぱり一筋縄じゃいかない!)