第7章 友達
(なんか私ってダンデさんと似ている?)
はダンデを見ると、ダンデもこちらを見ていて、バッチリ目が合ってしまった。
それがなんだかおかしく感じた二人は、ほぼ同時に小さく吹き出した。
「今君が考えていることがわかる気がする」
「以心伝心ってやつですね」
「ああ」
二人は笑い合い、木漏れ日林の中をどんどん進んでいった。
その様子を静かに、しかしジットリとした目で見ているポケモンがいた。自転車のカゴに収まっているエレズンは、普段とは違うの様子に戸惑っていた。いつもは自分を可愛がってくれるが、今日は全然話しかけてくれず、自分と同じ紫色の髪が印象的なダンデのことを気に食わないと思っていた。
そんなエレズンの様子に二人は気付かず、林の少し奥まったところまで行くと、そこで休憩をすることにした。
・・・
は自転車を止め、カゴからエレズンを地面に下ろした。エレズンは初めて来る土地にキョロキョロと周りを見るも、から離れない様にのズボンを握りしめた。
ダンデはなるべく遠くへ行かないように心がけ、木に止まっている虫ポケモンたちや、木の隙間から溢れる木漏れ日を眩しそうに見つめた。
「ダンデさん」
自分の名前を呼ばれたダンデは振り返ると、が自転車の荷台に縛り付けてあった長方形の箱を手に持っていた。ダンデはのそばに行くと、はそのまま箱をダンデに渡した。
「これは?」
「開けてみてください」
はニコニコと笑い、足元にいたエレズンを抱き上げた。
ダンデは興味津々で箱に手をかけると、中に入っていたのは、色とりどりのケーキだった。
「これ…もしかしてこの前君が話してた…」
「ポフレです!今日のは簡単なデザインのだけですけど、よかったらどうぞ」
箱の中にある8つのポフレは、どれを見ても美味しそうだった。ダンデは胸の中の何かがとてつもなく満たされる気持ちになり、自然と口角が上がった。
「ありがとう!どれも美味しそうだ!」
ニカっとダンデは笑った。はその笑顔にビックリし、抱いていたエレズンを顔の前に持ってきた。
「俺が食べても平気だろうか?… ?」
(ああああああ///!!!)