第7章 友達
見張り棟跡地のゴーストポケモンたちを遠目で見たり、木漏れ日林に足を踏みれると、たくさんの草ポケモンや虫ポケモンたちが時々こちらを不思議そうに見ていた。少し暑いと感じていた日差しも、林の影に入ればスッと熱が引いていくのを感じた。
「そういえばダンデさん、最後にワイルドエリアに来たのはいつですか?」
「そうだなぁ…アーマーガアタクシーで時々通り過ぎたりしてるんだが、こうやって歩くのは去年ぶりじゃないかな?」
「…想像以上に忙しいんですね…」
「俺もチャンピオンになるまではまさかこんなに忙しいなんて思っても見なかった!でもやってみるとやりがいがあって、いろんな人に出会える。中々悪くないぜ?」
ダンデの顔を見ると、本当に苦を感じさせない顔をしていた。はダンデが嘘をついていないと分かった。
「はずっと旅をしているけど、なんで?」
次はダンデがに質問をした。
「え…えーっと…ポケモンが、好きだから」
は少し考えてから、言葉にした。内心キバナを拝みに旅をしていたという理由もあったが、1番の理由はそれだった。
「ずっと夢見てたんです、ポケモンと一緒にいたいって。旅をして、いろんなポケモンをこの目で見たいって思って…それで旅に出たんですけど、想像より楽しくて、もっと見たいなーって思ってたら、家に中々帰らない親不孝ものになってました…」
ははは…とは気まずげに笑った。
ダンデは「そっか」とうなずいて話を聞いていた。
「俺も全然家に帰らない。君と一緒だ」
はハッとダンデをみると、微笑んでいるが少し寂しげな顔にも見えた。何か言わねばと、はとっさに思いついたことを言った。
「時々連絡はしてますよ!ダンデさんは?」
「俺も時々してる。前にずっと連絡しなかったら母さんに怒られた」
「私も…半年連絡しなかったらすごく怒られたな…しなくちゃって思ってても忘れちゃったり…でも旅を続けさせてくれている両親には感謝してるんですよ。電話するとすごく嬉しそうに話を聞いてくれますし」
「そうだな…君のご両親はすごく寛大だと思う。俺も母さんには頭が上がらない」