第6章 ジム巡り
はエンジンスタジアムを後にすると、すぐにポケモンセンターへ自転車を飛ばして向かった。今日の功労者、ドラピオンが火傷をおい、ボールに戻る寸前に倒れそうになっていたからだ。
(今日は無茶させすぎたな…私がもっと頼りになる様に頑張らないと!)
今日のバトルの反省を思いつつ、はポケモンセンターへと急いだ。
・・・
「はい、確かにお預かりしました」
ポケモンセンターにつくと、自分が先ほどジム戦で戦ったことと、ドラピオンの容態をジョーイさんに伝えてポケモン達を預けた。
エレズンはにくっつき、離れる様子がなかったので、そのままセンター内の個室へ一緒に連れて行った。
エレズンとカバンをベッドの上に置き、自分もその隣にドサリと座り込んだ。思いの外疲れていて、ははぁとため息をついた。
(今日のバトル…ドラピオンに無理させすぎた…もっと最良の手があったはずなのに…なのに私の方がドラピオンに喝入れられちゃうし…)
カバンから携帯を出すと、今日の報告をダンデにするのが少し気が重いと感じていた。
(勝ったけど納得してない勝ちっていうか…)
はテストでいい点が取れず、親に見せるのが嫌だと思う様な心境で、ダンデに報告のメールを送った。
携帯を膝の上に置き、真っ黒なスクリーンをぼんやり眺めていた。
しばらくすると、スクリーンに『ダンデ』と名前が表示され、ブルブルと着信を知らせた。はゴクリと唾を飲み込み、ゆっくりと携帯を手に取り着信のボタンを押した。
「…も、もしもし」
『やぁ、!3つ目のバッチおめでとう!』
電話の主、ダンデは明るい声が携帯から聞こえた。
は苦笑いしつつ、恐る恐ると今日の試合のことを聞いてみた。
「ありがとうございます…もう動画とか見ちゃいました?」
『いや、今日は少し忙しくて見れてないんだ。でも帰ったら見させてもらうぜ』
「そ、そうですか…」
『…何かあったのか?』
の声色がいつもより良くないと感じたダンデは、心配する様に声をかけた。
「いや、その…ちょっと今日のバトルは納得いってなくて、ですね…あんまり見せたくないなって…」
は慌てて否定したが、やはりあのバトルは見せれたものじゃないと思っていた。