第6章 ジム巡り
カブもに習い、頭を軽く下げると、もまた頭を下げた。それを数回繰り返したところで、二人は少し気まずそうに苦笑いした。
「もうずっとやってなかったんだけど、癖って抜けないもんだね」
「そ、そうですね!」
「さん、今日は戦えてよかったよ!」
「私もです。ありがとうございました!」
「それじゃあ…僕に勝った証として、ほのおバッチを贈ろう!」
カブはバッチをに手渡すと、はそれをギュッと握り込み、そしてその場で大きく飛び上がった。
「ほのおバッチ、ゲットだぜ!」
・・・
「おーまたせー!」
控え室に戻ると、今日のお世話を任されたシビルドンとエレズンが、の帰りを喜んだ。エレズンは前回同様、を見つけると、床を一生懸命はってやってくる。
「いい子にしてた、エレズン?」
「エレ!」
「そっかそっか。お世話してくれてありがとね、シビルドン!」
「シビビー」
はエレズンを抱き上げ、シビルドンに感謝の言葉をかけた。シビルドンはに頭を向けると、はよしよしとシビルドン の頭を撫でてあげた。
「今度のキャンプでみんなにお披露目会しないとね!他の子見て怖がらないといいんだけど…」
特にドラピオンやギャラドスは顔が怖く見え、小さなポケモンを怖がらせることが時々あり、二匹がこっそり落ち込んでいるのをは知っていた。エレズンはだいぶゲンガーとシビルドンに慣れてきた様で、二匹の背中に乗せてもらったり、楽しく過ごしている時間が増えてきた。
は3つ目のバッチが取れたら、ナックルシティへはワイルドエリアから行こうと決めていた。もちろんポケモン達の技の調整、そしてエレズンに他のポケモン達に慣れてもらうためだ。
「久しぶりのキャンプ楽しみだなー」
腕の中にいるエレズンが、どうか他の仲間達と仲良くできます様にと祈りを込めて、はワクワクする気持ちを込めて、ギュッとエレズンを抱きしめた。
「みんないい子だからね、エレズン」
「エレ?」
エレズンは首を傾げたが、自分を抱きしめてくれるが嬉しくて、エレズンも自分の手をいっぱいに伸ばしての首元に抱きついたのだった。