第6章 ジム巡り
キョダイヒャッカの効果で、ギャラドスの体に炎がまとわりつき、忌々しそうにそれを睨めつけながらも、ギャラドスは舞を止めなかった。
「ギャラドス、滝登り!」
そろそろだろうと、は指示を飛ばした。
ギャラドスも待ってましたとばかりに、体をうねらせながら、マルヤクデに突っ込んでいった。龍の舞でギャラドスの素早さは上がり、そして滝を登るかの様に体に水を纏わせ、マルヤクデに滝登りの技を当てた。
すると、技に耐えていたマルヤクデだったが、大きく震え出し、その場で大爆発を起こした。大きくなった体は小さくなり、目を回して倒れていた。
『マルヤクデ、戦闘不能!よってこの勝負、ジムチャレンジャーの勝利!』
レフリーの声がスタジアムに響き、歓声はよりいっそう大きくなった。
カブはその場に崩れ落ち、地面に手をついた。
「いいポケモン、いいトレーナーだ。君たちは勝って当然だよ!」
燃え尽きた、と言葉が似合うその様子と、カブに褒められ、はやっと緊張の糸が解けた。急いでギャラドスの側までかけていき、ギャラドスもが触りやすい様に頭を下に下げた。
はそのままギャラドスの顔に抱きつき、「ありがとう、お疲れ様!」と労いの言葉をかけた。
モンスターボールにギャラドスを戻し、カブを見ると、彼はすでに立ち上がっており、優しくこちらを見ていた。は少し照れつつ、小走りでカブの元へ向かった。
「ジムチャレンジ初めの関門と呼ばれるこのカブに勝つとは!僕の長年の経験を君の才能が上回ったな!僕もまだまだ学ばないとね!」
「こちらこそ、カブさんと戦えてとても光栄でした!最後のマルヤクデのキョダイマックス!やっぱり実物を目の前にするとすごくドキドキしましたし、キョウダイヒャッカのあの熱風!本当に熱くてカブさんにすごく似合う技だなって思いました!!!」
「そうかな?そう言ってもらえると嬉しいな。でも君のドラピオンは本当に強い!もう少しで倒せると思ったんだけど、毒びしの怖さを改めて思い知らされた!」
「カブさんなら鬼火を使ってくると思ったので、毒で応えようかなって思いまして…」
「はは、いい考えだ。次はしっかり毒対策をしておこう!」
とカブはその場で握手をし、は軽く頭をカブに下げた。