第6章 ジム巡り
ドラピオンの口からドロドロとした毒々しい液体がこぼれ出し、それをフィールドで体勢を整えようとしているキュウコンに浴びせかせた。
毒びしで毒状態のキュウコンは、浴びせられたベノムショックにより効果がより多く効き、なんとか持ち応えようと震える体を必死に奮い立たせていた。
が、程なくしてフィールドに倒れ込んだ。
カブはキュウコンをモンスターボールに戻すと、フゥと一息ついた。
(フィールドはすでに彼女に支配された・・・ならここからは覚悟を決めて挑むしかない!)
カブは熱くなりそうな感情を抑制し、フィールド中に散らばる毒びしを苦々しく思いつつも、これ以上ドラピオンに好きにさせるわけにはいかないと次のポケモンを繰り出した。
「頼んだ、ウインディ!」
カブの次のポケモンは、また馴染みのあるポケモンだった。
オレンジの体毛に、黒の模様が入り、顔や首回り、そして尻尾の白いフワフワの毛並み。は幼なじみが持っていたなと思い出した。
グサリ、とウインディの足に毒びしが刺さり、ウインディは深く唸り声をあげた。はその様子に目を細め、グッと拳を握り締めた。
「ドラピオン、ベノムショック!」
「高速移動でかわすんだウインディ!」
「ウォフ!」
ドラピオンの飛ばしたベノムショックを、ウインディは軽々と、そして素早く避けた。
「火炎ぐるま!!」
そしてカブは早くドラピオンを倒そうと、ウインディは炎を纏った体をドラピオンにぶつけた。
「ドラァっ」
なんとかドラピオンは持ち堪えたが、キュウコンの放った鬼火がジワジワと体力を削り、苦しそうに息を切らしていた。
「休む隙は与えない!もう一度火炎ぐるまだ!」
また体に炎を纏ったウインディがドラピオンに差し迫った。
真正面から突っ込んできたウインディを、ドラピオンはジッと見つめ、受け止める姿勢をとった。
(今のドラピオンに受け止める体力はない!このまま押させてもらう!)
カブはドラピオンに向かっていくウインディを力強く見つめ、立ちはだかるドラピオンを倒すんだと強く祈った。