第6章 ジム巡り
ドラピオンの毒びしは、キュウコンの周りいっぱいに散りばめられた。しかしそのせいでドラピオンはキュウコンの放った鬼火をくらい、苦しげな声を漏らした。
(っ・・・やっぱり鬼火を使ってきた)
予想していたとはいえ、火傷をおったドラピオンを思うと心苦しくなる。しかし、は眉間に少し寄せたシワを解き、冷静な立ち振る舞いを見せた。
「ドラピオン、もう一度毒びし!」
「ドラァア!!」
「キュウコン!ひのこだ!」
「コーン!!」
が指示を飛ばすと、カブも負けじと更にキュウコンに指示を出し、火の粉がドラピオンに降り注いだ。ドラピオンは自分の長い腕を盾に防ぎ、さらにフィールドに毒のトゲを撒き散らした。
「これ以上撒かさせない!キュウコン、電光石火だ!」
キュウコンはひのこを吐くのをやめ、まだ所々に蒔かれていない場所を飛びながらドラピオンに詰め寄った。ドラピオンは自分に攻撃をしようとするキュウコンを警戒し、ハサミをぎらつかせて身構えた。
電光石火で素早く動くキュウコンがドラピオンの周りを飛び回り、いつどこから攻撃を仕掛けてくるか分からずにいた。
「ドラピオン、腕で撒いた毒びしを飛ばして!」
ドラピオンはすぐにに言われたことを理解し、自分の周りに撒き散らした毒びしを腕を地面にギリギリ触れるか触れないかで振るい、キュウコンに飛ばした。
「っ!?こっちに戻るんだ!キュウコン!!」
「逃さない!前に毒びしを飛ばして!」
カブは一度キュウコンを引かせようと自分の元へ戻る様指示を飛ばしたが、はチャンスだと思い、背を向けた球根に毒びしを投げつける様に指示を飛ばした。
ドラピオンはすぐに言われた通り、次は地面に腕を擦れさせ、腕に集まる毒びしをキュウコンに向けて思いっきり振りかぶった。
毒びしが勢いよくキュウコンに降りかかり、キュウコンは必死に左右に飛びながらなんとか毒びしを避けていた。が、次の決めていた踏み込む場所に毒びしが転がり込み、前足がそれを踏み抜いてしまった。
「キュウウウウ!!!」
キュウコンから悲鳴が上がり、前足のバランスがなくなったことで、キュウコンは毒びしがたくさん巻かれているフィールドに倒れ込んだ。
「キュウコン!!」
カブは心配の声をあげた。
「ベノムショック」