第6章 ジム巡り
「ようこそ、さん!あっという間に僕のジムに来てしまったね」
ここはエンジンシティにあるスタジアム。
スタジアム内はカブを応援する赤い旗があちらこちらに窺え、ヤローとルリナと違って、特に男からの熱い声援がよく聞こえた。
は一緒に選手控え室から出てきたカブの小走りを後ろから眺め、可愛いなと思ったのはここだけの話である。
スタジアム内のフィールドの中心に立つと、カブは微笑みながら話しかけてくれた。
「お久しぶりです!カブさんと戦えるの、すごく楽しみにしてました!」
「僕も君が来るのを待っていたよ。君なら草タイプのヤロー、水タイプのルリナを退け、ここまで来ると思っていた!」
「カブさん///(キバナ様押しじゃなかったら絶対カブさん押してたわ)
緩みそうな頬をなんとか緩みきらないように我慢し、は小さく息を吐いた。
(集中しなくちゃ、今日の相手はカブさん・・・負ける気はしないけど、油断はできない)
はギュッと手を握り込んだ。
「どのトレーナーも、どのポケモンも勝つためにトレーニングをしているだろう!だが戦う相手も同じように努力している。勝負の分かれ目は、本番でどれだけ実力を出せるかだ!」
カブも話を終え、お互い静かに見つめた後、背中を向けあい、指定の位置についた。
『それでは!エンジンジムのカブと、ジムチャレンジャーのの公式試合を始めます! 始めっ!!!』
レフリーの合図とともに、カブはモンスターボールをフィールドに投げた。出てきたのは、カントーでも馴染み深く、美しい毛並みを持ったキュウコンだった。
は腰につけていたモンスターボールに手をかけ、同じようにフィールドに投げた。
「ドラピオン、頼りにしてる!」
ボールから出てきたドラピオンは、自前のハサミと尾をキュウコンに向け、
ジッと獲物を狙うように見つめた。
(ルリナの時の様に、突っ込んでくるタイプのポケモンじゃない。キュウコンはどちらかというと特殊技を組むことが多い・・・)
「ドラピオン、毒びし!」
「キュウコン、鬼火だ!」
とカブが同時に支持を飛ばすと、フィールドはたちまち毒と鬼火が溢れる戦場とかした。