第6章 ジム巡り
先ほど放り投げた携帯を、エレズンが興味深そうに見ていて、は自分の真似をしているのだと思った。
「エレズン、私の真似してるの?可愛いなぁ。ほら、かし、て・・・」
はエレズンの隣に座り、携帯を返してもらうように手を出した。が、その前にエレズンの携帯に映っているダンデの顔が見え、は硬直した。
(ダンデ???なんかの動画???)
なぜか画面に映るダンデに、の脳は処理仕切れなかった。
『こんばんは、』
ダンデは少し気まずそうにに挨拶した。
自分の名前を呼ばれ、これが動画ではないと理解した途端、身体中の熱がスッと抜けていった。
『君だと思ったらエレズンが出たから驚いた!新しいポケモンをゲットしたんだな!』
「・・・はぃ、色々あって・・・ええと、ごめんなさい、エレズンが勝手にボタン押しちゃったみたいで」
『いや、風呂から上がったところだからちょうどよかった』
(ふ、風呂上りだとおおお///?!!)
ダンデがそう言うと、の目は目敏く画面に映るダンデを見てしまった。よく見れば、少し湿った髪に首に巻かれたタオルが目に入ってきた。
ツゥ、と首筋に流れた水に、の目はそれを追いそうになり、慌てて顔を逸らした。
『?』
「(無自覚こえ〜〜〜(涙)!!!)風邪ひかないようにしっかり乾かしてくださいね!」
『ああ、そうする』
ありきたりのことしか言えなかったが、ダンデは特にそれを気にする様子もなく、首にかけてあったタオルで髪を拭き始めた。
(電話ってだけでも緊張するのにテレビ電話って・・・ハードル高すぎて吐きそう・・・と言うか心臓飛び出そう)
『あ、』
「は、はい!」
『二つ目のバッチ、おめでとう』
ダンデはフワリと笑った。
その自然な笑みと、久しぶりに祝いの言葉を聞けて、のずっと緊張していた顔の強張りが消えた。
「へへ、ありがとうございます///」
祝われたことが嬉しく、恥ずかしさもあったが、やっと自然に笑ったを見れたダンデからも緊張が消えた。