第6章 ジム巡り
その後も俺たちはの動画に釘付けだった。
シビルドンが初めて放電以外の技、ばかぢからを使った後からのとんぼ返りに、技の構成も上手だと俺は思った。
そして次に出したのがドラピオン。
こいつの雰囲気とは全く異なるポケモンばかりで、バトルをしている時のは全く違った人物に見えた。
『行け、ドラピオン!!振り返るな!!!』
「うわっ!流された!」
ドラピオンがガジリガメのダイマックス技を避けたことで、一度地面に当たった大量の水がに押し寄せ、レナとヒトミは口に手を当てて、顔を青くさせた。
「なんつー無理すんだ、こいつ・・・マジか」
今まで見てきたあいつからは想像もできない行動と言葉に、俺は鳥肌が立った。ヤローの時もだが、こいつのポケモンは一体一体が強い。さっきのシビルドンも、相性もあるが連続で3体も相手をしている。
このドラピオンも、ハッサム同様ダイマックス技を受けているにも関わらず、全くふらつく様子も見せねぇ。
強いとは思っていたが、まさかここまでの実力を・・・いや、こいつならまだ何か隠している気もするな。
俺はニヤけそうになる口を手で覆い隠した。
「それにしても、このドラピオンよくダイストリームを避けたわね」
レナは少し動画を戻し、ドラピオンが避けているところをジッと観察した。
「それならもう少し戻してみろ、最初のダイストリーム辺りだ」
「えっと・・・ここですね」
「ドラピオンを出したと同時に、つぼをつくを使ってるだろ。多分これで回避率が上がったんじゃねーか?」
「なるほど・・・よく見てますね、キバナさん!さすがです!!」
「そりゃ俺さまは最強のジムリーダーだしな、これくらい見抜けて当然だ」
リョータ、レナ、ヒトミは俺に尊敬の眼差しを向けてくれた。
「まだまだチャレンジャー達が来るのは先だが、お前ら!俺さまたちも油断しないように特訓するぞ!」
「「「はい!」」」
気合いの入った返事をしてくれる三人に、俺たちはトレーニングルームに向かった。さっきの試合を見た三人は、やはりどこかソワソワしているように見えた。
(先見の名か野生の感か、とんでもないやつ参加させやがったなダンデのやつ・・・だがお前を倒すのは俺だ!)
その日のトレーニングは、いつもより気合が入った日になった。