第6章 ジム巡り
着替えを済まし、エレズンを抱えながらルリナのいると思われる部屋まできた。ノックをすると、中から「どうぞ」と声が聞こえたので、は「失礼します」と一言行って中に入った。
「お待ちしてました・・・あら、その子は?」
中に入ると、ルリナはスタジアムで見たユニフォームではなく、ゆったりした白い大きめのTシャツと、ショートパンツを履いた普段着姿だった。
「(やっぱり現役モデルさんは何着てもすごい。足綺麗だし可愛いし足綺麗///)ごめんなさい、この子はボールに入りたがらないのでいつも抱いてるんです」
「そうなんですか。よかったらこちらにどうぞ」
ルリナはに抱き抱えられているエレズンを見てニッコリ笑い、に自室にあるソファーへ座るよう案内した。
はソファーに座っても、エレズンはの膝の上から降りず、興味深そうにルリナの部屋を見回したり、向かいに座ったルリナを見たりしていた。
「じゃあさん、早速なんだけど」
「はい」
「敬語、やめましょ」
「はい!・・・ん?え、敬語を、ですか?」
「だって、わたし達年もそう変わらないでしょ?あとさん付けもなしよ」
どう?とルリナはウィンクしてみせると、はズキュンと胸に矢が刺さった。
「ルリナさんが良ければ・・・私は嬉しい、かな」
「さん付けしてる」
はもじもじしつつ、ルリナに指摘され、もう一度言い直すことになった。
「うっ・・・じゃ、じゃあ・・・ルリナ、ちゃん」
(ルリナちゃん!!!!)
ルリナはピシャーンと頭に雷が落ちたような気がした。
ちゃん付けで呼ばれるとは思っておらず、自分が子供の頃は周りの友達が数人呼んでいたくらいの記憶しかなかった。
「だ、ダメよ!ちゃんとルリナって呼んで・・・///(可愛いわ、さん・・・)
「(あ、照れてるのかな・・・可愛すぎでは///?!)あの、・・・ルリナ」
「何、?」
「よ、よろしく、お願いします///」
はすっかり赤くなった顔のまま、右手をルリナに差し出した。
ルリナもそんな初心なの行動に、自分の頬にも熱が移りながらも、自分の右手をの手とかせねて握手した。