第6章 ジム巡り
ルリナとは一度別れ、は選手控え室に戻った。
扉を開けると、音を聞きつけたエレズンが、抱き抱えているゲンガーの腕からジタバタと動き出した。
「エレ!」
「お待たせ!エレズンいい子にしてた?」
は小走りで二匹の元へ行くと、エレズンはに飛びついた。ずっしりした重さが疲れた体に酷くのしかかったが、は気合でエレズンを抱きとめた。
エレズンはピッタリとに抱きつくと、グリグリと自分の額を肩に押し付けてきた。
「う〜!」
ポンポン、とエレズンの背中を優しく叩きながら、お守りを任せれたゲンガーはグッタリと床に座り込んでいた。
「お守りお疲れ様です、ゲンガー先輩!」
「ゲーン・・・」
(こんなやつれてるゲンガー見るの初めて・・・)
ジムチャレンジ中はどうしてもエレズンを抱えながらバトルをするのは難しいと考えていたは、ゲンガーに重りを任せたのだった。
時間にして2時間ほどだが、普段やったことのないお守りに、さすがのゲンガーも手を焼いたとみた。
それとは逆に、エレズンは自分の腕の中で嬉しそうに何かを一生懸命に話かけていた。
とりあえず、ルリナさんのところに行かなきゃ行けないから、着替えてくるね。ゲンガー、あと5分だけ面倒見てて!」
「ゲン?!」
サッとゲンガーにエレズンを渡すと、は急いで更衣室に向かった。ゲンガーの嘘だろと言った顔が面白く、は内心ごめんねと思いつつ、表情豊かなゲンガーの反応が可愛いとも思っていた。