第6章 ジム巡り
「みずバッチ、ゲットだぜ!」
はみずバッチを掲げ、高らかに叫んだ。
その声に歓声も沸き、は照れながらも軽いお辞儀をした後、またルリナに向き合った。
「あのルリナさん、試合中に言ってたキバナ様のことなんですが・・・」
はおずおずと話し始めると、ルリナは一瞬何の事だろうと思った。そして自分が試合中に言ったことを思い出した。
「なんかヤローさんにも聞いたんですけど、なんか私の動画見せてるとか・・・」
ルリナはそこで、の頬がうっすら赤く染まっていることに気が付いた。
「えっと、(もしかしてだけど、さんってキバナさんのこと好きなの?・・・それはちょっと複雑、と言うか、あなたのこと倒したがってるなんて言ってもいいのかしら・・・それともキバナさんはやめた方がいいって忠告すべきなの?!)」
ルリナはすぐにどう答えるべきか悩んだ。
不安げに自分を見つめてくるに、ルリナは本当にキバナに恨み言を言いたくなった。
(ちょっとキバナさん、やっぱりあなたはめんどくさい彼女役にピッタリだわ・・・タンスの角に足の小指ぶつければいいのに)
ルリナはの両肩にそっと両手をおいた。
は突然のことに、ピシッと姿勢を正した。
「キバナさんね、あなたが強いから気をつけてってわたしとヤローに教えてくれたのよ。ほら、わたし達最初と2番目のジムだから」
「そ、そうなんですかぁ・・・(めっちゃ見つめられる・・・ふああいい香り、どこの香水使ってるのかな///)」
距離が近くなり、ルリナからフワッと香る香水の匂いに、はクラクラした。
(ガラルのお洒落な人って、なんでこんなにいい香りさせてるんだろ・・・オリーヴさんの大人の女性な香りも好きだけど、この甘すぎず、爽やかな香りもいいな・・・)
「さん、それともしよかった、今度一緒にご飯に行きませんか?わたし、あなたともっと話してみたくて」
「え・・・私と、ですか?」
ルリナの香りに酔いしれていたは一気に現実に呼び戻された。
ルリナからの提案に驚き、うっすら赤身がかった頬はますます赤くなた。
「えぇ、そうよ!あとで私の控え室に来てください。電話番号お渡しますので」