第6章 ジム巡り
「自慢の最強メンバーなのに、まとめて押し流されちゃった!」
ガジリガメが倒され、ボールに戻ると、ルリナは自分の髪の毛をぐしゃぐしゃにかき混ぜながら悔しがった。
(あぁ・・・悔しがってるルリナも可愛いな・・・)
遠目からでも分かるくらい、はドラピオンをボールに戻した後に見ていた。そしてフィールドの中心に向かって歩き出した。
「ルリナさん、勝負ありがとうございました!」
バトルを始める前の位置に着く頃には、ルリナからは悔しいという気持ちは見えず、凛としたジムリーダーにふさわしいと思う品格が見えていた。
同時に手を出し合い、その場で握手をした。
「こちらこそこんなバトルが今年一番にできるなんて、私も驚きました。それに、ヤローの時は冷静の様に見えたけど、結構熱いバトルをするんですね」
「へ?・・・あ、あぁ〜、まぁ、ちょっと昂ってしまって(熱いバトルって!なんか照れる!!)」
は先ほどのドラピオンに先を進ませ、自身で水を受けたことを言われたのだと思い、その恥ずかしさが今になってやっとに降りかかった。
しかし、はすぐにハッとしてルリナに頭を下げた。
「あのルリナさん、私のシビルドンが・・・サシカマスに怖い思いをさせてごめんなさい!・・・未熟な私のせいなんです」
ルリナは頭を下げたに目を見張りつつも、の肩に手を当て、頭を上げさせた。
「ちょっと驚きましたけど、あなたが止めてくれたじゃない。だからそんなに自分を責めないでください」
まだ申し訳なさそうなの顔を見て、ルリナは苦笑いした。
「あなたにはチャンピオンに挑むにたる、素晴らしいスピリットがあります。だから、このジムバッチを受け取るにふさわしいのよ」
ルリナはジムバッチをに渡すと、は手に収まったバッチを見てグッとそれを握り締めた。
「これからも精進します!」
は顔を上げ、ルリナに微笑んだ。
(ダンデが戦いたがるのも、なんか分かった気がする)
そうルリナは思った。
ポケモンも強く、策士な面もありながら、真っ直ぐこちらを見つめる瞳はとても澄んでいて綺麗っだった。