第6章 ジム巡り
シビルドンがフィールドに戻ってくるのをルリナは見つめていた。シビルドンが跳ねながら元の立ち位置に戻るのを見ていると、あることに気が付いた。
(! そういうことだったのね・・・だからトサキントの時よりもサシカマスの時の放電が大きかった)
ルリナはため息をついた。
シビルドンの放電を警戒しすぎて、全く足元を見ていなかった。
「さん、あなた中々の策士ね!やっぱりキバナさんが言ってた事は本当なのかしら」
ルリナは声を上げて、に話しかけた。
「えぇ?!(キバナ様が言ってたって何を?!何の事?!?!)あ、あの」
「最後の一匹じゃないの。隠し球のポケモンなのよ!」
はルリナから言われた事に驚き、もっと詳細を詳しく聞きたいと思ったが、ルリナは次のモンスターボールに手をかけていた。
(話聞いて!!!)
の問いかけも虚しく、ボールから出てきたのは、頑丈な顎と甲羅を持つガジリガメだった。
「スタジアムを海に変えましょう!ガジリガメ、ダイマックスなさい!」
ルリナはすぐ様ガジリガメをボールに戻すと、輝きながら何倍にも大きくなったモンスターボールが現れた。そして背後にスローイングすると、中から出てきたのは、先ほどの小さなガジリガメではなく、巨大なガジリガメとしてシビルドンの前に現れた。
ヤローの時とは違い、優しい雰囲気が一切感じられない凶悪な顔をしたガジリガメが大きな咆哮をあげた。
「ダイアーク!」
ルリナはすかさずガジリガメに指示を飛ばした。
「(さっきのバトルでシビルドンは疲れてるはず。ダイマックス技を耐え切れるのはせいぜい1、2発・・・なら!!)シビルドン、技を受けたらすかさずばかぢから!!」
「シビビーッ!!!」
シビルドンは向かってくるダイアークにものともせず、ガジリガメに向かって行った。闇の光がシビルドンに目掛けて走り、シビルドンは大きな闇の光に包まれ、大きく破裂した。
(ごめん!シビルドンごめんね!耐えて!!!)
爆風が自分のところまで押し寄せ、は震えそうになる体を拳を握り込んで誤魔化した。