第2章 推薦状
いくつかキバナの質問に答えたあと、あとでジュンサーさんに報告すると伝えられた。ふと、これからどこに向かっているのだろうと疑問が浮かび始めた。てっきり警察署にでも赴くのかと思っていたのだ。
「き…キバナ、様。」
「ん?」
「あの、これからどこに行くんですか?さっきの、事情聴取ってやつですよね?私、ジュンサーさんのところに行かないんですか?」
「んー聞いても逃げねぇ?」
「え」
「逃げねぇなら教えてやってもいいぜ?」
どうする?と席に腰かけたキバナが、流し目で問いかけてきた。
(に、逃げ…は、はあああああああああああ!!!???カッコつけすぎでは!?でもサマになってるううう!!!かっこいいかっこいいカッコよすぎかよキバナ様!!!)
二人きりのタクシー、どこに向かうかわからない行き先、そして逃げないかという謎の問いかけ。がまず真っ先に浮かんだのはラブ○だった。というかラ○ホしか思い浮かばなかった。
そして今日の下着は勝負下着だったかどうか、IQレベル5の頭で必死に思い出そうとした。
「…に、逃げませんよ///」
「本当かー?ついてもぜってぇ逃げねぇって約束できるか?」
「します!約束します///!」
「お、おう…(やっぱこいつ真面目っぽいな)」
は両手をギュッと握りしめて、必死の形相でキバナに言った。
(破ったらお仕置きなとかでも最高にくるな、さすが顔面600族///)
「これから行くところなんだけどよ、」
「はい。覚悟はできてます」
「(覚悟???)お、いい心意気だな」
「私…頑張りますから///」
「(頑張る???)そ、そうか。ま、礼儀正しくはしたほうがいいかもな。」
「れ、礼儀ですか…?(どこで何を礼儀正しくすればいいのー!?私初めてだから全然わかんないよー!!!)」
異世界転生する前はありとあらゆる小説や夢小説、薄い本も読んできただが、いざ本番が迫るとわかると、何をすればいいかわからなくなった。硬くなるを見たキバナは、相手をすごく緊張させたと気がついた。
「そんな気張らなくていいぜ、これから行くところはシュートシティのローズタワーってところだぜ。知ってるか?」
知ってるも何も、ムゲンダイナ起こしたおっさんじゃねーか!