第6章 ジム巡り
『それでは!バウジムのルリナと、ジムチャレンジャーのの公式試合を始めます! 始めっ!!!』
レフリーのダンペイがそう言うと、ルリナは一気に畳みかけた。
「(ジムチャレンジでもこのシビルドンしか見せていなかった。休憩を挟んでいるけど、このシビルドン中々手強そう!)トサキント、高速移動!」
トサキントはその場で左右に激しく移動し、速度をあげた。
「そのままつのでつく!」
速度を上がったトサキントが、自慢のツノをギラつかせながらシビルドンに突っ込んできた。
「シビルドン、放電!」
は冷静に指示をシビルドンに出すと、シビルドンは向かってくるトサキントに怖がりもせず、自分の中にある電力を放出した。
シビルドンが放つ放電は、その場を明るく照らし出し、観客たちは手で目を覆った。
「なんて眩しいの!」
なんとかフィールドから目を逸らすまいと、ルリナは目を細めた。
光が収まると、パリパリ、と電気がシビルドンの体を走り、その場でぴょこぴょこ跳ねている。
そしてトサキントはというと、シビルドンの前で痺れて倒れていた。
「と、トサ・・・・・・」
『トサキント、戦闘不能!』
「っ・・・戻って、トサキント・・・ありがとう」
ルリナはトサキントをボールに戻した。
そして次のボールに手をかけ、華麗なフォームでボールを放った。
「サシカマス!次はあなたよ!」
「マスー!」
ルリナの次の手はサシカマスだった。
「サシカマス、アクアジェットでシビルドンを攪乱させるのよ!」
サシカマスは体中に水を纏わすと、勢いよくシビルドンの周りをビュンッと飛び回った。自分の周りを勢いよく飛び回るサシカマスを、シビルドンは目で追おうと首を回すが、サシカマスの方が早く追いつけないでいた。
「シビルドン!いつでも放電を打てる様に備えて!」
がそう言うと、シビルドンはサシカマスを目で追うのをやめた。
相手が来るのをジッと待つ様に、シビルドンは集中した。
「さっきの様にはいかせない!サシカマス、渦潮!」
サシカマスはシビルドンの背後でちょうど止まると、渦潮をシビルドン目掛けて放った。
「右に避けてシビルドン!」
シビルドンは大きく右に飛び、後ろから放たれた渦潮を難なく避けた。