第6章 ジム巡り
そして次の日、は5番道路を通過中の時だった。
今日もなぜかポケモントレーナー達とは目が合わず、おかしいと思いながら自転車を引いて歩いていた。
(なんで誰も目をわせてくれないの〜?!ガラルって他の地方よりバトル好きな人多いと思ったんだけど・・・)
少し落ち込みながら前へ進んでいると、草むらから突然むらさき色の大きな塊が、自転車の前に出てきた。
「お」
スピードも出ていなかったおかげで、自転車はその塊に当たらずにすんだ。なんだろうとは飛び出してきたものを見てみると、この5番道路にいないはずのポケモンだった。
「エレ!」
それは、の姿を見上げると、不機嫌そうな顔が見えた。
「エレズンだ!か、か、可愛いいいいいっ///!!!」
自転車をすぐに脇に止め、エレズンの目の前にしゃがみこみ、脇に手を差し込んで持ち上げた。
「いてて、ちょっとピリピリするけど可愛い!どうしてここにいるの?」
「エレ?」
は首を傾げてエレズンに尋ねると、エレズンもの真似をして首を傾げた。
「ん”ん”可愛い!!(この無愛想な顔なのに天使!!!)」
とりあえず周りにトレーナーがいないか確認したが、それらしき人物も見当たらず、は困ったなと思った。
(そういえばこの5番道路、確か橋の近くに育て屋さんがなかったっけ?)
ぼんやりした記憶を頼りに、はエレズンを自転車の前カゴに乗せ、自分も自転車に跨った。
「とりあえず、育て屋さんのところまで行って、色々聞いてみよ!じゃあ動くから、暴れないでね?」
「う〜!」
エレズンはワクワクしたような雰囲気を見せると、はエレズンが怖がらないゆっくりしたスピードで前に進んだ。自分でより歩くより早く動くしかいと快適さに、エレズンはあちらこちらに視線を向けた。