第6章 ジム巡り
ヤローとの対戦が終わり、程なくして試合の様子が公式のサイトにアップされた。
ライブ配信でもすでに多くの人が見ていたが、アップされた動画はものの1時間で既に再生回数がかなり上がっていた。
・・・
オリーヴはスタッフからの電話を切ると、デスクで書類を確認しているローズの元へ寄った。
「委員長、失礼します。ターフスタジアムのスタッフから、さんが無事勝ったとの報告がありました」
「・・・もう勝ったのですか?あれ、でも開会式は二日前でしたよね」
「はい」
「この間のことも、これくらい早くしてくれるとよかったんだけどねぇ・・・彼女はわたくしの事を苦手に思っているのは知ってるんですが」
ローズは困った笑みをオリーヴに向けると、オリーヴはどう声をかけていいかわらず、キュッと自分の口をしぼめた。
「やはり・・・願い星の収集を彼女にお願いするのは・・・」
「行動力は素晴らしいですが・・・感の良い方です。それにきっとお断りするでしょう」
「・・・」
ローズは自分のデスクの引き出しを開けると、綺麗にまとめられたファイルを1枚取り出した。
「君が調べてくれたものを拝見しました。とても読みやすくて助かります」
「恐縮です」
「・・・他の地方での優勝経験あり、そしてあのオーキド博士の初の図鑑保持者の一人。そして彼女の幼なじみはカントー地方のどちらもがチャンピオンになった経験者」
ローズは書類を1枚めくった。
2枚目の書類には、とある悪の組織についてのことが書かれていた。
「よくこの記事を見つけましたね、オリーヴくん。君は本当に優秀な秘書で助かります」
「委員長の夢のためにも、このことは知っておいた方がいいかと」
「そうだね。ロケット団壊滅に関係がある人物・・・」
「詳しくはお調べできませんでしたが、シルフカンパニーではその幼なじみと一緒に乗り込んだと、当時の新聞記事にも載ってました」
「・・・ありがとうね、仕事の合間に大変でしたでしょう」
「私は大丈夫です」
オリーヴは淡々と答えた。
そんなオリーヴに内心苦笑いするローズだが、彼女がとても優秀であり、自分を支えてくれる大事なパートナーであるということも理解していた。