第6章 ジム巡り
「ヒメンカ、よくやったんじゃ」
足元まで飛ばされたヒメンカを抱き上げ、ヤローはモンスターボールに戻してあげた。次のボールを手に持つと、スタジアムの中央に投げた。
「ワタシラガ、頼んだ!」
「ワタワタ!」
ヤローの次の手持ちはワタシラガだった。
ヒメンカとは違い、大きな綿毛が目立つ優しそうなポケモン。
「(さっきのヒメンカに直殴りしたから、もしかするとヒメンカの特性わたげで遅くなってるかも・・・そのために剣の舞2回も積ませた)ハッサム、来るよ・・・」
とハッサムは身構えた。
「さぁダイマックスだ!根こそぎ刈り取ってやる!」
ヤローは一度出したワタシラガをボールに戻すと、ヤローの持っていたボールが光りながら何倍にも大きくなった。
そしてそれを、背後に放り投げると、そこからどんどん大きな姿になって現れた、ダイマックスしたワタシラガが出た。
「驚けよ、たまげろよ。これがダイマックスの技じゃあ!」
「ダイソウゲン!」とヤローが指示を飛ばすと、ワタシラガのワタから大きな種が飛び出してきた。
それがハッサムの周りに落とされ、大きなきのこが生え始めた。
「耐えてハッサム!」
すぐに爆発するであろうきのこに、ハッサムはの指示通り、体を硬くして耐える姿勢を構えた。
そしてキノコは大爆発すると、その場にたくさんの葉を降らせた。
ダイマックスのエネルギーが大きいのか、フィールドの足元には草が生い茂った。
「・・・キバナ君、きみはどんでもないトレーナーと出会ったんじゃ」
視界が晴れると、ダイマックスの技を受けたはずのハッサムがふらつきもせず、ワタシラガを睨み付けていた。
そしてハッサムの後ろに立つを見ると、ヤローは身震いした。
「翼でうつ!」
はハッサムに指示を送ると、ハッサムは地面から大きく跳び、羽を羽ばたかせ、すぐにワタシラガの目の前に来た。
ヤローが指示を出す前よりも早く、ハッサムの技は命中していた。
すると、ワタシラガの体はブルブルと震え始め、その場で大爆発した。
ワタシラガの体は縮み、元の大きさに戻ると、その場で動かず目を回していた。
『ワタシラガ、戦闘不能!よってこの勝負、ジムチャレンジャーのの勝利!』