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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第11章 春が来りて 後編 お相手:冨岡義勇


夜の通りを
宇髄と煉獄が歩いていた

「なあ、煉獄」
「どうした?宇髄」

「良かった……のか?」

俺としては
みくりが冨岡とくっついたとしても
煉獄になびいたとしても
どっちにしても面白いから
どうでも良かったんだが……


さっきのやり取りを見ているに
思いの他 
煉獄はアイツに入れ込んでた様だったし?

ああは言っていたが
あながち全てが演技だったようにも
俺には見えないしなぁ……


「何の事だ?俺には皆目見当もつかないが?」

と全部知ってやがる癖に
何も知らないような口を聞いて来て


「ま、それは俺が、どうこう言うことじゃ
ないのは、分かってるけども」

自分でわざわざ損な役回りしなくてなぁと
思った宇髄だった


「宇髄、君は俺の事を
いささか勘違いしている様だが……」


じっとこっちに煉獄が視線を向けていて
その目の中の炎が熱く燃えている様に見える
相変わらずどこを見てるのか
視線が合いそうで合わない目をしてやがるぜ


「勘違い?何だそりゃ」

「俺は、諦めたつもりはないからな」

と言ってにやりと笑った

「こっわ。俺、お前の事
そんな奴だって思ってなかったわ」

「だから……、今は一旦引くだけだ」

そう言って煉獄が瞑目する


月が随分と高くなっていた

その月を宇髄が見上げて


「あのさ、煉獄」

「まだ、あるのか?」

「お前さ、いい男だな。まあ俺の次だけど……」

「宇髄、それは俺を励ましてるのか?
そうは聞こえない気もするが……」


ふと視線を遠くへ向けると
川沿いの桜並木が
夜の闇の中でぼんやりと浮かんでいて


いつの間にやら
桜が満開になっていた様だった


「満開だな」

と煉獄が言って

「だな」

と宇髄が返した




宇髄は内心
冨岡にも ようやく春が来たかと思った


アイツ 年がら年中
冬みたいな奴だもんな……


「なぁ、煉獄、飲み直すか?」

「ああ、俺もそう思った所だ。
せっかく桜も満開だしな、花見酒も悪くない」



春が来りて……か


宇髄は少し前を歩く
煉獄の背中を見ながら


コイツがみくりに気がある内は

コイツには春は遠そうだと


ぼんやりと考えていた


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