第38章 ピックアップお礼 愛の棘 お相手:煉獄杏寿郎
どうして… こんな事に
なってしまっているのだろうか?
みくりは纏まらない頭で
考えていた
こうなってしまっている
事の次第の原因を
纏まらない頭で 思い返す
今朝は杏寿郎さんがお仕事から
炭治郎君と一緒にお戻りになられて
それを出迎えた
私は2人に大きな怪我がなくて
安心していた
2人の労を労いたいと
湯を沸かして 食事の用意をした
まだ日の高い時間だが
休める様にと 杏寿郎さんの部屋に
と言っても一緒に寝起きしているのだから
私と杏寿郎さんとで使っている部屋に
布団を敷きに来たのだが
何故か……杏寿郎さんは
いつになく険しい表情をしていて
苛立たし気な様子だった
「お疲れにあられましょう?
杏寿郎さん。すぐにお布団をご用意
させて頂きますので、お夕飯まで
そのままお休みください」
「ああ。すまないな。
そうさせて…貰うとしよう」
布団を敷いている時に
自分に向けられている鋭い視線に気付いた
「杏寿郎さん、どうぞ…
こちらにいらしてお休み下さい」
そう言ってみくりが
敷けた布団の掛け布団を
杏寿郎が入りやすいようにめくると
床に入る様に促した
「折角君が、俺の為に床を
用意してくれたのに。申し訳ないが、
…気が昂っていて眠れそうになくてな」
身体は疲れてるけど
精神的に冴えてしまって
眠れない…と言う意味だろうか?
「あ、でしたら…気持ちを落ち着ける
薬湯をお持ち致しますね」
そう言ってみくりが立ち上がろうと
した時にガシッと手首を杏寿郎に掴まれる
ギリッとその手が食い込む程の力で
痛みに近い感覚を感じてしまって
一瞬 怖い……とそう思ってしまった
それが顔に出てしまっていたのか
「俺が…、怖いか?みくり」
「すいません…、決してその様な事は。
ありません……ので、手を……お放し下さい」
「薬湯……に頼らずとも…、
このまま君が……、手伝ってくれれば
すぐに、この昂った感情を
抑えれるんだがな?」
その掴かんだ
みくり手首を自分の方へ引き寄せると
チュウと音を立てて
手の平に口付けを落として来て
私の手で己の顔を覆ったままで
赤い目が こちらに向けられていて
その射貫かれるかの様な
鋭い視線に ゾクゾクと背筋が震えた