第37章 スルタンコラボ企画 序章 お相手:冨岡義勇
そう煉獄を名乗った杏寿郎に
悠斗が問いかけると
「ああ。かようにも俺はスルタンである
煉獄槇寿郎の子である事に、違いないが。
それがどうかしたか?」
あたかも何も問題はないと
言いたげに杏寿郎が返すと
スッと悠斗が杏寿郎に傅いて
「申し訳ありませんでした。殿下。
数々のご無礼をお許し下さい、
知らずとは言えど、重ね重ねのご無礼
お許し願いたい…」
「悠斗…と言ったか、俺は
自分がこの国の王族であると
君に告げたのは今が初めてだと
そう記憶している、それに今は
スルタンの使いとして来ている身。
俺に対して改まる必要はない」
グイっと小野寺が馬の腹を蹴って
その2人の間を走り抜けていく
「待ってくれ!!
まだ、君の口から名前を聞いてないのだが?」
「だから、あの子は僕の妹の」
馬でそのまま走って行く
小野寺の後ろを2人が追いながら
話をしていたが 当の小野寺の方は
それに構う様子もなく馬を急がせていた
「どうしたの?小野寺
僕にも言えない事?何をそんなに…」
「悠斗兄さん、急がないと、
急がないと…みくりが」
「みくり?みくりがどうしたの?
みくりの所になら、一樹兄が向かってる。
みくりがどうかしたの?話して」
「家に狼が居るの!!
みくりが危ないの!」
「そうか。良く分からないが、君の
双子の片割れが危険なのだな?
急ごう。悠斗。後、君の名を教えて貰いたい」
そう杏寿郎が小野寺に
名を名乗る様に迫って来て
いつの間にか馬をピッタリと
横に付けられていた
「なっ、馬術凄すぎない?
小野寺は弓もだけど、馬術だって
一族で上位の腕なんだけど??」
一人後れを取っていた悠斗が
その様子を不満そうに眺めながら言った
それになんで 名前…何度も聞くんだろ?
名前だったら 僕が何度も呼んでるのに
「君は、弓の腕もさることながらに
馬術も素晴らしいのだな!是非とも
君の名を俺に教えてはくれないだろうか?」
そう隣から大きな声で話しかけられて
「後、君の双子の片割れの事なら
俺は心配いらないと思って居る」
「勝手な事言わないでよ!」
「俺のカンだが、君の家には
冨岡が居る。だからもう安心だ!!」
そうその人が自信満々に言って来る