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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第36章 聞こえない音  お相手:宇髄天元



みくりの身体を抱きかかえて
ベットからピアノの前まで移動する

驚く位に 軽い

自分の腕に掛かる重みが…こうも

違ってくる…物…なんだな

宇髄はピアノの前の椅子に座ると
自分の身体でみくりの身体を支えた

もうコイツに そんな力なんて

残ってないと そう思ってたんだ


その時 だった

自分の身体に持たれかけさせて居た

みくりが すっと身体を起こして

ピシッと姿勢を正して座ると


そのまま 自然に
ピアノを弾き始めた…


嘘……だろ?

俺は 夢でも 見てるのか?


もうコイツの身体には

そんな余力なんて…


いや 違う…


余力なんて 体力なんて無いのは知ってる


なら 今…コイツが

みくりが…こんな風に

ピアノを弾けて居るのは

奇跡なんかでも なんでもなくて



力強い ピアノの音色

ああ そうだったな


この音が コイツのピアノだったな



その音の一つ一つが

俺に語り掛けて来る みてぇだな


聞いて欲しい 忘れないで欲しい


憶えてい居て 欲しい…のだと



言葉に コイツは みくりは

したりしねぇから

けど その想いは



みくりのピアノから 聞こえていたんだ



俺の耳に



ちゃんと…



時間にすれば 3分少々の曲


その 一曲をみくりが
滞りなく弾きあげて


宇髄の方へと笑顔を向けて来る


「やっぱ、俺…。お前の
ピアノ…さ、好きだわ。
お前の音…がさ、好きな訳よ」


きっと 俺はみくりに

一目惚れ…ならぬ


一音惚れ…… しちまってたんだろうな



「天元…さん、ありがと……」

そう 小さな声でみくりが言って

そのまま 満足そうに目を細めると

スッと端から端まで
愛おしむ様にして

ピアノの鍵盤をその手で撫でると


その手が 鍵盤から離れて


だらん…と 力なく垂れ下がる


「今まで、何度も同じ曲……、
この耳で聞いたけど、今日のが
今までで最高の演奏だったわ。
みくり。もう、聞こえてねぇかも
知れねぇけど。お前さ、やっぱさ。
控え目に言っても、最高すぎな位に
いい女…なんじゃねぇかって」

宇髄が脱力している
そのみくりの身体を横抱きにして
その右手の甲に口付けを落とす
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