第36章 聞こえない音 お相手:宇髄天元
ギュッとその身体に縋り付いて
何度も 彼の名前を呼んでしまって居て
「はぁ、天元さんッ…んんっ
あんッ、天元さ、…ンぁんッ」
「言ってくれねぇの?」
グチュグチュと…繋がっている
場所がこすれ合う度に
部屋の中にお互いの粘液が
交じり合う音が聞こえる
「んっ、あぁんっ、好きッ…
天元さんッ、んぁあん、好きぃ…」
「んー。素直でよろしい。
いい子だ。可愛い」
ギュウウとその腕に抱きしめられてしまって
ちゅうっとご褒美の様にして
こめかみに口付けを落とされる
「んっ、天元さ…んッ…何か
変…なの…んっ、ここ…変」
ギュッとみくりが
落ち着かない様子で
自分の下腹部の辺りに手を置いて
切なそうな顔をしながら
訴え掛けて来て
「俺の…、欲しい?そこに」
ゾワッとその言葉に
自分の身体の奥底から全身が
震えるのを感じた
私は… そうして貰ったとしても
どうこうなる事はない身体なのだ
病気が進んんで痩せてしまってからは
女性の証の 月の物だって
もう 5ヶ月くらい なってないのに
そうして貰っても
そうなる事もないし
どうにもならないのも
知ってる んだ…知ってる
それは 私自身が知ってるし感じている様に
今 こうしてるこの人だって
知ってるし 分かり切っている事なのに
「そう…、してもい?」
そう 今度は彼の方から
そう問いかけて来て
その問いかけに 無言のまま 頷いた
ズンッと奥の深い場所まで
これ以上入らないし
繋がれないって場所にまで
沢山 感じる… 天元さん…の
熱くて ヌルヌルしてて
胸の奥…温かい…感じがして
愛されるのって
こんなにも 幸せなんだなって
天元さんが 教えてくれた
この 穏やかな優しい 温かい感情
「あぁんっ、天元さんっ、んっ
好きッ…、好き…んぁ、あぁんっ」
「みくり…、ッ…ハァ
好…き。みくりッ、好きだ。
だから、忘れんなよ?…俺を」
泣かないって 決めてたのに
こうする時泣かないって
ポロっと涙が自然と零れて来て
ポロポロと零れ落ちて行く
次々に
その落ちる 涙を
宇髄がみくりの目元から
自分の唇で拾い上げる
「いい…の?」
その言葉を言ってしまっても
いいのかと確認を取ると
ふっと彼が笑った