第35章 絶対君主の言いなり お相手:煉獄杏寿郎 R-15
書庫で本を読みふけっていると
侍女が時間だと呼びに来て
そのまま カーマストラの本と
将棋とチェスの本の数冊と
物語の本を借りて抱えながら
橘に見送られて自分の庵に帰ると
中から声が聞こえる
「何ココ?すっごい狭いんだけど」
「もう、赤薔薇ったら。
でも、いい匂いがする~。みくりの
匂いかしら、ねね?まだ帰って来ないかな?
ベットでちょっと寝てもいいかな?」
「申し訳ありませんが、それは
お許し下さい、白薔薇姫様」
庵の主が戻って来て
庵の中に居た白薔薇の顔が明るくなる
「待ってたわ。みくり
牡丹が来る前に始めちゃいましょ?
ね?みくり…ってそれ、どうするの?」
顔が見えない程に両手にみくりが
大量の本を抱えているのを見て
白薔薇がその本の山を指さした
「どうするって、白薔薇。
本は読む物じゃない。まぁ、聞きたい事は
わかるけど、みくり、そんなに
沢山、読めるの?」
「ええ。こちらはしばらく借りるとして」
そうみくりが物語の本と
カーマストラを机の端に寄せると
残りの将棋とチェスの本の束を
机の手前に寄せて来る
「こちらは、合間に目を通して
明日にはお返しするつもりです」
「え?その6冊、今日だけで読むの?」
今度は赤薔薇が驚いた様子で聞いて来て
「ええ。先ほども7冊ほど
ここに戻る前にあちらで読んで来ましたが?」
「ひえぇええっ、そんなの無理よ。
無理に決まってるじゃない、
みくりは強いだけじゃなくて、本を
読む才能でもあるの?」
「えっと、確かスルタンからは
私に夜伽のご指導を頂くのは
白薔薇姫様、赤薔薇姫様と牡丹姫様に
あれれたと思うのですが?牡丹姫様は」
「ああ、牡丹?牡丹ならさっき起きた
ばっかりだから、今から湯あみして
化粧してから来るって言ってたけど」
いつもの事とでも言いたげに
気に留めた様子もなく赤薔薇が言って
それに付け足す様に赤薔薇の顔に
自分の顔を引っ付けて白薔薇が
「牡丹はねぇ、朝起きれないの。
だからいつもお寝坊さんなのよ?」
そう言えばこの2人は年上の姫も
容赦なく呼び捨てにしてるなと
みくりがある事に気付いた
「あの、お二人は…なぜ他の
妃の方々を呼び捨てになさるのです?」
キョトンと同じ顔が二つ
私の前で同じ顔をしていた