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ひみつのひめごと【鬼滅の刃/R18】

第33章 絶対君主のお気に入り お相手:煉獄杏寿郎 Rー15



「その為…か?」

そう静かに声が頭の上から聞こえて

「ええ……。妃と言う立場では
動きにくいと考えての事かと…。
父は病の床で、次の戦に自分が
馳せ参じる事が出来ぬ身なのを
悔やんでおりましたので……」

ギュッと身体に回された腕に
力が入るのを感じた

「君の腕が…、例え与壱と同等
であったとしても……だ。
俺は君を…、戦に連れて行く
つもりはないのだが……?」

スッと杏寿郎がみくりの
右手を取ってその手の平に口付ける

「君の手を…血で汚すような
真似を…。させる訳には行くまい」

「私が噂に聞き及んでいる、無類の
戦好きのスルタン様の仰る、お言葉とは
到底思えない様なお言葉にありますが?
それに戦に女は……と言うお考えで?
世界の至る所に、活躍した
女性の武将もありましょう…?」

「巴御前の事か…?
それとも君は……板額御前に
でもなるつもりなのか……?」

いや……待て
彼女と話していて

思い出した事がある
去年 彼女の父である

小野寺 与壱と遠征のおりに
交わした会話…

彼が自分の子供と……領土の内乱を沈めた戦

自分の子供に確かな才覚を感じたと

あれは………

与壱が言っていた子供は……

みくりの事か?

「君は……戦に出陣した事は?」

「あります。14で初陣に出てから、
ここに来るまでに3度……」



「なら……、あるのか?」

「………」


杏寿郎の問いに
みくりが何も言わずに頷いた


「その数を…、憶えておきなさい
と言うのが、父の教えですので」

そうみくりが
凛とした声で静かに言った

「なら、その数を…俺の為に
増やす覚悟で……ここに来たのか?君は」

じっと俺の顔を見つめる
彼女の金色の瞳と視線が重なる

月の色の瞳に宿るは……

揺らぐことのない 覚悟だった


まるで沈む事もない

それでいて 欠ける事もない

その月の輝きを いつまでも

眺めていたい……と

そう… 望んでしまって居る


「杏寿郎のお望みとあらば…」

「……なら、見届けるがいい。
みくり。君の目で、
この国の行く末をしかと。俺の隣で」


自分の胸にみくりが
手を当ててそして頷く


「杏寿郎の、御心のままに」



第3夜 

一握の砂の…中に…在るは      ー 終 ー
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