第32章 地味な俺の地味じゃない彼女 村田さん
みくりがじっと
こちらを見つめて来て
自分の浴衣の左右の襟に
それぞれの手を添えて
少しばかり
前の合わせをぐっと開いた
その開いた部分から
零れんばかりの乳房とそのかなりの
深さのある胸の谷間から
目を逸らせつつも
逸らしきれない自分がいて
もっと 見たいし
もっと 触りたいと
そう 考えて居たら
「村田さんッ…、触って?」
「…みくり?あっ……や、あのね」
煮え切らない態度なのが
気に入らなかったのか
むっとみくりが顔を顰めると
自分の手で村田の右手を手繰り寄せると
スルッと開いた合わせから
自分の胸を触らせる様にして
みくりが
自分の左の乳房に
ぎゅっとその手を押し付ける
「触って、下さい。
私のここは…、村田さんのでしょ?
触ってくれなくっちゃ嫌です。
村田さんが
ちゃんとしてくれないんだったら、
私が、村田さんの手でこんな風にして
触らせちゃいますよ?」
「分かった、分かったって!
俺が男らしくないって言いたいんだろ?
そこまで、しなくても、大丈夫だからっ。
ちゃんとするからっ」
じっと村田さんの瞳に
自分の瞳を見つめられてしまって
ぞくぞくと背筋が震えるのを感じる
身体を倒されて
下から 彼が私を見下ろしているのを
かっこいいな 村田さん……
私 村田さんの顔 好きだなぁ
「私…、村田さんの顔
好きですよ?」
どうして 村田さん
自分の顔…地味だって言うんだろ?
そんな事を考えながら見ていると
ギュッと強く
両方の乳房を掴む様にして
そのまま 揉みしだかれる
弾力を確かめられる様にして
そこをしばし揉まれている内に
自分の吐く息が熱を帯びて行くのを
感じる 熱を帯びているのは
吐息……だけではなくて
彼に触って欲しいと
自己主張をする様にして
胸の先の部分がピンと立ち上がって来て
じりじりとした 疼きの様な
微熱がそこに宿って行くのを感じる