第30章 みじかいおはなし その2 ※裏なし お相手:色々
「あ、ひざ掛け使われますか?
あっちにあったので、取ってきますね。
あ、みくりさんはお茶でも飲んで
待っててもらっていいですか?」
とまぁ そんな感じで
藤の花の家なのに
炭治郎君にもてなされてしまって
至れり尽くせり…な状況なのだけども
炭治郎君が淹れてくれた
お茶を座布団上に座って飲むと
温かいお茶…が冷えた体に
美味しいなぁとしみじみと感じてしまって
ひざ掛けを持って
炭治郎が戻って来て
私がそれを受取ろうとしたら
断られて
それを広げて膝の上に掛けられてしまった
「もう、炭治郎君、私は怪我人でも子供
でもないんだから。自分でできるよ?」
「あの、鬼狩り様…。
その、…不躾であるのは承知なのですが。
もしやお二人は恋仲に在られますか?」
そう尋ねられてそうだと答えると
一つの部屋に案内されてしまった
部屋案内されたのはいいけど…
まだ寝るには早いのに
布団……敷いてある…んだけど
「あの、鬼狩り様…。
お濡れになっているお召し物を
お洗濯致しますので、お召し変えを」
そう言って 家の女性が
みくりに着替えを差し出して来て
「あ、はい…すいませんっ。
すぐに着替えますので、少しだけ
待っていただいても……」
「では、部屋の外でお待ちしておりますので」
とその女性は下がって
いや でも
炭治郎君……居るんだけど?
いや まぁ
裸……知ってる仲ではあるけどもさ
「あ!みくりさんっ、俺も外に…出てますからっ」
「いいよ。炭治郎君は
そこに居てくれても…」
「でしたら、俺、向こう向いてますので…」
目にはその着替えをする姿を
見えなくても
着ているものを脱ぐ 衣擦れの音がするし
それに 匂い…がする
みくりさんの匂い…
会うの久しぶりだし…もっと
近くで…嗅ぎたいとそう思ってしまっていて
嗅ぎたい…と言う気持ちが
自分の底から湧いてくる