第30章 みじかいおはなし その2 ※裏なし お相手:色々
一体これは…
どう言う状況なのだろうか?
みくりは疑問に思っていた
義勇君の様子がおかしいからと
様子を見に来てほしいと
水屋敷の使用人から蝶屋敷へ
使いの鴉が飛んできたので
私はしのぶちゃんに頼まれて
恋人である 彼こと
冨岡義勇の様子を見に来た…
まではいいけども
彼は布団から出て来ないと
屋敷の人が心配してたから
彼の部屋に入って
その盛り上がった布団の山に向かって
みくりが声を掛ける
「……義勇…君?起きてる?」
しばらくの間落ち着いてたから
大丈夫かと思ってたけど
「その声は…、みくりか?」
「ええ。みくりですよ。義勇君
お布団から、出て来れ…ますか?」
また 気鬱の気が出て来たのかと
思って心配して来てみたら
「ああ、問題ない…」
そっちはそこまででのなさそうで
問題なそうだけど
布団から 私が声を掛けたら
のそのそと出て来た……までは良いが
「みくり、来てくれた…んだな」
今度は
私の真後ろに座って
後ろから私を抱きしめたままで
全く動かなくなってしまった
もうかれこれ…15分以上
こうしてる気がするけど…
「義勇君、いつまでそうしてるつもり?」
そう私が少し口調を荒くしつつも
そう尋ねると
「……今朝は……寒いから。
布団から出たくなかった」
「ちょっと、
それは21の人が言うセリフ?
もう、大人でそれも、柱なんだから
そんな子供みたいな事言ってないで…」
「俺が、悪いんじゃない…、
俺は今日は非番だからな。
布団にいてもいいはずだ」
「それはそうですけど、
お屋敷の使用人さん達が
心配なさってたんですよ?
せめて、億劫だとしても…
お返事ぐらいは…」
ギュウウウッと後ろから
しっかりと抱きしめられてしまって
身動きが取れない
「それから、
私から…離れて頂きたいのですけど」
「嫌だ。
みくり……に、こうして居たい」