第30章 みじかいおはなし その2 ※裏なし お相手:色々
ビュウウウッ……
冷たい風が吹き抜けて
みくりが身震いをする
自分の身体を抱きしめるようにして
腕を交差させて自分の二の腕を掴んだ
「ひゃっ、寒っ、……うう゛、
寒いっ……なんで、
こんな寒いの、聞いてない…し」
隊服は暑さ寒さは凌げる物の
当然顔は晒されてるのだから
寒いっ 顔が
後 手っ 出てる所寒いっ
「なんだ?みくり。寒いのか?
まだ秋だぞ?
これから冬が来ると言うのに…。
今からそんな事でどうするつもりだ?」
「寒いですっ、顔が…出てるもん。
寒いに決まってますよ。煉獄さんは
寒くないんですか?」
「ん?別に俺は何ともないが……、
心頭滅却すれば火もまた涼しとは言うが、
その逆も然りと言うものだ。
君は少しばかり、
精神修行が足りないんじゃないのか?」
そう嫌味っぽく返されてしまって
みくりがぷぅっと頬を膨らませると
「そんな事ありませんっ。
精神修行が足りてないのは、
煉獄さんの方じゃないですか!」
そう不満を露わにして
杏寿郎にみくりが抗議してくる
今度はみくりの言葉に杏寿郎が
むっと眉を顰めて
「俺の精神修行が
足りないと言いたいのか?君は」
「そうやって、私が言った事に
動揺してるのもそうですし、それに…
煉獄さんは、その……、
堪えがなさすぎ…るじゃないです……か。
あの、……あっちの……、方の…」
そう 語尾の方は恥ずかしそうに
言葉を濁しながらも言って来て
カァァと頬を真っ赤に染め上げて行く
みくりの言葉にうーんと
腕組みをしながら杏寿郎が
唸り声を上げると
「確かに。みくり。
君の言うことは正しい!」