第28章 可愛い君に……は お相手:煉獄杏寿郎
そう言って子供扱いされた事に対して
私が拗ねて見せると
ふっと一瞬だけ
困ったような顔をして
それから
杏寿郎さんが笑顔になって
「子供扱いされて、
機嫌を損ねてしまったか。悪かったな。
なら…、子供扱いではなくて。
大人の扱いを…されたい…と?」
今度は普段の大声からは
想像もつかない様な 甘い低い声で
私の耳元で囁いて来て
大人の扱いと言う
その言葉に期待をしてしまっている
自分が居る……
「もう、私は、子供……じゃない、です」
みくりはそう言って 頬を染めながら
はぁっと熱い吐息を口から漏らした
きっともう 彼女の頭の中は……
俺との艶事……の事で
一杯になってしまっている……
のかも 知れないが…
そんな所もまた……
全く 可愛い…な みくりは
まぁ 彼女をそうしたのは
他の誰でもなくて… 俺自身…なのだが
「君の…期待に応えるとしよう。
おいで?俺の可愛い、みくり…。
離れていた、3日分…可愛がってやろう」
みくりの方へ手を差し伸べると
みくりがおずおずとその手に
自分の手を重ねて来る
そのまだ ぎこちなさが残る
その仕草も また 可愛らしいと
いじらしいと感じてしまって 仕方ない
自分の手にみくりが置いたその手を
ギュッと握り込むと
ビクッと小さく彼女の身体が跳ねた
「みくり…、怖いか?」
ほんの2か月ほど前まで
私は男の人を知らない身体……だったし
杏寿郎さんとしか
そう言った事をした事がないし
でも 自分でも……驚いている
正直 最初は痛かった……んだけど
その 回数を重ねるほどに……
その行為に快感を
自分の身体が憶えていくのを
自分でも 恥ずかしいと思いつつも
身体をそのまま引き寄せられて
杏寿郎の膝の上に座らされる
よしよしと彼の大きな手が
みくりの頭を撫でて来て
頭を撫でていた手が
そっと頬に添えられる
その手が頬を撫でて
指先が唇に触れた
「…んっ……」