第25章 みじかいおはなし ※裏なし お相手:色々
突然ですが
貴方には誰にも教えたくない
そんな 秘密の場所はあるでしょうか?
私には あるのです
それも とっておきの秘密の場所が
その日は絶好の秋晴れで
絶好の昼寝日和だった
日々の鬼との戦いで すり減らして
疲れ果てた身も心も癒されたいと
そう考えて…
私は ある場所を目指していた
そこは所謂 猫の集会場
いつ行っても 猫が沢山いる場所
猫は温かくて
心地いい場所を知っているから
みくりは持っていた煮干しを
そこにいた猫たちに振舞うと
いつも昼寝をしている
お気に入りの大きな桜の木の下に座って
その幹に身体を預けた
桜の生い茂った葉が
余分な日差しを遮てくれるし
心地いい風が流れていて
ここにいると
ゆったりとした時間が過ぎて行く
鬼を狩る事に明け暮れる
日々のしがらみから
解放されて行く様だ…
そう思って居た
と言うか
いつもならそうだったんだけど
その日は いつもとは違っていて
「邪魔」
凄い 機嫌の悪そうな声が
上から降って来て
半分うつらうつらとしていた
重たい瞼をみくりが開こうとするも
上手く開けなくて
そのまま 眠りに落ちて行った
「もしかして、寝ちゃった?
信じられないんだけど。
ここ、僕の場所なのに…」
にゃぁーと猫が一匹
無一郎の足元にすり寄って来て
まるで一緒に昼寝をしようと
無一郎を誘っている様だった
「何なの?お前、僕にここで
一緒に寝ろって言う訳?
コイツ…誰かも知らないんだけど?
でも…この服、鬼殺隊士…だよね?」
自分の記憶を探ってみるが
この隊士に対する記憶がない
本人に出会った事があるのかと
確認しようにも
当の本人は 夢の国の住人だ