第25章 みじかいおはなし ※裏なし お相手:色々
今日は天気が良いから
屋敷の掃除機でも掛けようかと
そう思って居たんだけども
昼の明るい時間から
居間の畳の上に
大きく新聞を広げて
寛いでいる
もとい だらけて居るのは
私の師範であり
この風屋敷の主人である
不死川 実弥…さんだ
すっごい 掃除機掛けるのに
邪魔な位置にいるな
私が掃除したいと思ってるの
知ってたみたいに
絶妙に邪魔な場所にいるな…
部屋のコンセントの配置からして
どこに掛けるにしても
絶妙に邪魔になる
ポジション取りだったのだ
イラッ… みくりの苛立ちは
一瞬にして限界を超えて
一番自分から近い場所にある
コンセントに
掃除機のプラグを差し込むと
不死川の存在を無視して
掃除を始めた
ウイィイイイイーーーンン
部屋の隅の方から掃除機を
掛けている内に
気分が乗って来て
みくりが鼻歌混じりに掃除機をかけていると
シーン…と
突然掃除機が止まってしまって
故障?と思って居ると
寝ころんだままの不死川が
コンセントから伸びているコードを
足で引っ掛けて抜いてしまって居て
「ちょっと!師範っ
いつも言ってるじゃないですか
手伝わないのなら、
せめて邪魔しないでって」
「黙れェ」
ギロッと鋭い眼光を向けられて
みくりがそれに驚いて身をすくませた
「それから、こっち来い」
「え?今、私は部屋の掃除を…
してるんですけど?何を言って…」
「いいから。さっさとしろォ。早く。
10秒以内だァ!10,9.8…」
「やっ、ちょっと!すでにカウント
始めてるじゃないですかっ、
来ました。来ましたから。」
「枕」
そうぽそっと不死川が言って
「は?枕ですか?
だったらすぐに、お持ちしますよ…」
そう言って枕を取りに行こうとした
みくりの腕を不死川が掴んで
「わざわざ、取りに行かなくったって
あるだろうがよ、丁度いいのが」
そう言って 下から腕を引かれて
畳の上に座らされてしまう