第22章 惣菜屋さんの筑前煮 前編 お相手:煉獄杏寿郎
あの時の お嬢さん?
槇寿郎が言った言葉が
引っ掛かった
どうやら 私の記憶にはないが
槇寿郎様は
私の小さい頃を知っていると言う事?
「あの…、もしやと思いまして、
お尋ねするのでありますが。
槇寿郎様は。私の、幼い頃を
ご存じであられるのですか?」
「如何にも。少しばかり…恥ずかしがり屋で
お父上の影に隠れてばかりだったように
記憶しているが…、
随分と…時が経っていたようだ。
あの小さなお嬢さんが。
ここまで成長なされて…。」
あれ? おかしい…な
話をしていて
違和感を感じた
結婚がどうとか
交際がどうと言う
話が 一切ないと言う事に
気がついてしまった
お茶を持って 戻って来た
千寿郎も2人の会話を聞いていて
違和感を覚えていた様で
和やかに私達が話をしているのが
不思議だったのだろうけど
私の隣に正座していた
杏寿郎さんも 話の流れに
違和感を感じていた様で
「あの…、父上。
お話の途中であられますが。
今日、みくりさんを
お呼び立てした理由と申されるのは…」
「それか、それならもう必要はない。
そちらの、顔を見たら…全てに
納得が行ってしまったからな」
事の真相をと
杏寿郎が尋ねた事に対して
もう 言いたい事も
聞きたい事もないと
槇寿郎が答えると
それ以上の 話はなく
午後のお仕事のあられるだろうと
そう告げられて
彼の父との対面は
ほんの15分程度で終わってしまった
「みくりさん…だったか」
呼び止められて
和室を後にしようとした足を止める
「はい。そうですが…」
「今日は、ご足労をおかけした。
次の時は…、こちらから赴かせて貰う」
「え、いえ、その様な事は。
お気遣いをして頂くまでも、ありません。
それにうちは古い惣菜屋ですので…。
わざわざ槇寿郎様に、起こし頂くような
場所でもありません故…。
…では、これにて失礼をさせて頂きます」
そう言って 槇寿郎に頭を下げると
そのまま 部屋を後にした
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これにて、惣菜屋さんの筑前煮の
前編は終了です。
まだ、真相明らかになってませんが。
そちらはまた、後編にて。
何気に槇寿郎様多くてすいませんっ💦
完全に書いている人の趣味です。