第99章 日輪刀とチョコレゐト バレンタインネタ お相手色々 裏なし
そのまま 代金とチョコレイトを押し付けて
逃げる様にして店を後にした
足の傷はもう治ってるけど
やっぱり思う様に走れないのは
傷が治るまでの間の期間に
筋力が落ちてしまってるからだ…
大通りを歩いていて
ちょっとした段差に足を取られて
そのままよろめいて
ドンっと近くを歩いていた人にぶつかってしまう
「すっ、すいません…、ふらついてしまって」
『ヒュ~♪いいよいいよ、
気にしないで気にしないで。
それよりも、ふらついちゃって
気分が悪いんだったら、あそこで休んでく?』
ガシッと手首を掴まれて身体を引き寄せられる
「大丈夫です、何ともありませんからっ…」
『いいのいいの、ちゃんと
俺が、介抱してあげるからさ~』
「止めて下さいッ、離してッ」
スッと…自分の前に影が降りて来て
自分とその男の間に人が割り込んで来たのが見えて
見覚えのある 黄色いタンポポの様な髪型に
散り三角の羽織 さっき店に置いたままにした
「善逸さんっ…」
「ちょっと、何やってんのぉおっ!
アンタっ。その子ッ、
嫌がってんじゃないのさっ。
そんな事も、分かんない訳ッ?」
善逸の声が大きいからなのか
周囲からもひそひそと囁く声が聞こえて
チッと舌打ちをして男が去って行って
善逸とみくりだけがその場に残される
「だっ、大丈夫?みくりちゃん。
…間に合って…良かったぁあ~。
あのままさ、みくりちゃんが、
さっきの奴に連れて行かれちゃったらさ。
どうしようかって思っちゃったよぉお~っ」
「あの…っ、善逸さん…。
私…また、善逸さんに…
助けて貰っちゃいました…ッ。
あの時の事は…憶えてなくても…今のは…」
「そっ、それはね、ほらっ、憶えてるし…?
俺が…みくりちゃんを、
助けたいって思って助けたからさ。
ああっ、その、別にお礼が目当てとかね
そんなんじゃないから、ね?ね?気にしないで」
ううんとみくりが首を横に振ると
「いいえ、お礼…ちゃんと…させて下さい。
だって、善逸さんに私、助けられて
ばっかりですから…、私がしたくて…するんです。
こんな物が…お礼になるかどうか。
私にも、分からないんですけど…ッ」
ちゅ…と善逸の頬に
みくりが口付けをすると
頬に触れた唇は一瞬で離れて行ったけど
「えええぇっ!!い、今ッ」