第99章 日輪刀とチョコレゐト バレンタインネタ お相手色々 裏なし
チョコレイト…は初めてじゃない
前にも天元様が私達にって
お土産に買って来てくれた事があるから
食べた事があったけど…
「美味しい…です、チョコレイト…」
ニッ…と自分の目の前の
その顔が笑顔になって
「だったら、チョコレイト用意して
良かったって思えっし。
お礼に、みくりから俺に
それ、食べさせても貰える訳だったりとか?」
「はい、これ、チョコレイトね」
雛鶴が天元に食べさせるチョコレイトを
みくりに差し出して来て
その箱に整列している
チョコレイトの中から一粒を
自分の手に取ると
あーんと口を開けて待ってくれている
天元の口にそれを入れると
ペロンっと舌で指を舐められてしまう
「ひゃああぁッ」
その指を舌が舐め上げていく
その指を這う 生暖かい
ヌルヌルとした感触に
反射的に自分の手を引っ込めてしまった
「私もぉおおっ、狡いですぅうう」
そう言ってブーブーと須磨が不満を言って来て
その不満を言う須磨を
まきをが注意して 喧嘩になって
それを雛鶴さんと一緒に止める…と言うのが
今の私の…日常になりつつある
こんな風な…毎日を
これから先もずっと
5人で…過ごして行きたいなって
そんな事をみくりは考えていた
でも…偶には…賑やかなのもいいけど
天元様とふたりだけで…
チョコレイトの様な…甘い時間を
過ごしたいな…と
お湯をバシャバシャと跳ね上げながら
揉み合いになって居る
須磨とまきをを見ながら
みくりは考えていた
トンと肩に天元が手を置いて来て
その身体にもたれ掛ると
下から天元の顔を見上げた
「天元様…の、嫁にして頂いて…。
ありがとうございました」
ガシガシとその手が
みくりの頭を撫でて来て
「んな地味な事、気にしねぇの。
俺が守りたいと思ったもんが、
全部…ここにあるからな…。
俺のこれからも、お前等が要れば安泰って事」
その守りたい物の中に
自分が入ってるのだと聞いて
自分の胸の辺りが
ぎゅっと締め付けられるのを感じる
チョコレイト遊戯
チョコレイトひとつ皆で食べるのに
こんな遊びを計画してしまう
この人の事を…私はこれからも
妻として支えて行きたいと
みくりはひっそりと考えていた
ー 終 ー