第99章 日輪刀とチョコレゐト バレンタインネタ お相手色々 裏なし
その表情と仕草に…
只ならぬ程の色気を感じてしまって
目の前の彼が…
年下の男の子なのだと言う事を
ついつい忘れてしまいそうになってしまう
ツンっと鼻の頭を
指で押されて グリグリと鼻を弄られて
「やっ、ちょ…っ、急に
何を…するんですかぁっ」
むにっと鼻を軽くに指で摘ままれてしまって
「いだっ…」
摘まんでいたみくりの鼻から
無一郎が手を離して鼻を開放すると
「だって、みくりが悪いんでしょ?
だって、みくりはそう思ってるかも
知れないけど。僕は、ちゃんと…
しっかり…男…、なんだよ?」
パフェスプーンをフリフリとしながら
無一郎が言って来て
テーブルに両手で頬杖をつきながら
上目遣いをしながらこちらを見つめて来て
にこっと微笑むと
「男の子じゃないって、確かめてみる?」
「みません」
「えーっ」
「えーっ、じゃありませんっ」
「ちぇーっ、つまんなーい」
「もぅ、私を揶揄って遊んでないで、
早く食べないと、パフェ、溶けちゃいますよ?」
そう言ってぱくぱくと
上の方からアイスクリンが溶けかけて来た
パフェをみくりが次々に運ぶと
「ねぇねぇ、みくり」
食べさせて欲しいと
自分の唇をちょんちょんと叩いて
無一郎が合図を送って来て
「1口だけ、ね、いいでしょ?」
「1口…だけ…ですよ?」
そう言ってみくりが
自分が使っている匙に
パフェを掬って無一郎の目の前に持って行くと
あーんと雛鳥の様に口を開けるので
その口の中に自分の匙を入れると
無一郎がそれをゴクンと飲み込んで
「みくりに食べさせてもらった方が、
パフェが甘くなった気がする…。
ねぇ、さっきのだけじゃ、そう感じたのが
気のせいなのか分からないからさ…」
「もう、分かりましたよ…
もう一口…でしょう?どーぞ」
口を開ける様に促して
みくりがもう匙を差し出すと
ぱくっと無一郎がそれを頬合って
「美味しい…、気のせいかな?
みくりが一緒に居ると、
食べた物が美味しい気がするし。
見た物もいつもより綺麗に見えるんだ」
じっと無一郎がこちらを見つめて来て
「ねぇ、それってさ…どうしてなの?
他の人じゃ…そうならないんだよ?
おかしいって思わない?みくり」